登場人物はもちろん、背景やマップなど、使われているイラストすべてが手描きで、しかもすべてがとても温かく、美しい。CG好きの人間には堪らないゲームだ。BGMの選曲もよく、ゲームの内容やイラストにマッチしている。ゲームの進め方そのものは一般的なRPGと同じだが、シナリオが短く、ほぼ一本道のため、RPGというよりはむしろ絵本を読むような気持ちで楽しむのがよい。中盤から敵が急激に強くなるが、敵との戦闘は必須ではなく、ひたすら逃げ続けても問題はない(ようだ)。マップを逆行すると凶悪な敵が登場するなど、むしろ余計な戦闘を避けて物語を進めるように行動した方が“正解”かもしれない。敵モンスターとの戦闘にこだわりたい場合には、特定の魔方陣からガゼットの店に戻れることを利用して戦闘を繰り返し、レベルアップを図ることもできる。
物語の目的は「リヴを見つけて合流し、森の異変の原因を突き止めること」だが、そのほかにも「ガゼットから託された荷物をドニーユに届ける」というミッションが用意されている。ただし、これもあくまでサブのミッションで、達成しなくても問題はない(ようだ)。
「美しいイラストとBGMを楽しみながら、気軽に楽しいゲームをしたい」人にお勧めの一本だ。
(秋山 俊)