最近のデジタルカメラは自動調整機能が向上し、よほど厳しい条件でもなければ、自動的にかなり良好な画質が得られるようになった。「色がおかしい」「露出がおかしい」といった“あからさまな失敗写真”は、数年前に比べると格段に少なくなったといってよい。しかし、これはあくまで「最近撮影された写真」のこと。数年前のデジタルカメラ、あるいはデジタルになる前のフィルムカメラでは、カメラの設定ミスや露出のミスなどにより、必ずしも良好な画質でない写真も多い。良好な画質の写真であっても、プリント後に数年、数十年も経過すると、どんなに気を使っていても避けられない「劣化」という現象に晒されてしまう。「Dr.Photo Color Recovery」は、このような“どうしても避けられない理由”によって生じる「良好でない画質の写真」を修復してくれるソフトだ。
良好でない画質の写真でも、パソコンに取り込んでレタッチすれば、ある程度は修復できる──このことは誰でも知っているが、ここで問題になるのが「どのように調整すれば、画質が改善するのか」という点。この「知識」はかなり専門的なもので、誰にでもできるものではない。
「Dr.Photo Color Recovery」の真髄はここにある。「Dr.Photo Color Recovery」の採用する画像補正機能は、開発元のホットアルバムコムと小西六写真工業(現コニカミノルタ)で40年にわたって色設計などを手掛けた技術者らの共同開発によるもの。写真画像を知り尽くしたプロならではのノウハウが詰め込まれている。
レタッチ機能やフィルタ機能がどれだけ高性能でも、補正に使われるノウハウは真似できるものではない。こうした高度なノウハウを、誰でも使える形で利用できるようにする──これこそが優れたソフトの条件といえるのではないだろうか。
(天野 司)