誰でも簡単かつ高速に動画編集を行える「PowerDirector」の新バージョン。3D動画の編集も可能になった。「PowerDirector」は、高い操作性とカスタマイズ性、プロ並みの編集を可能にする豊富な機能で定評のあるHD動画編集ソフト。新バージョン「10」では、新たに3D動画編集に対応したほか、強化された独自のエンジンにより、動画処理の大幅な高速化も図られた。さらに、ニコニコ動画への直接アップロードにも対応した。
新バージョン「10」で最も注目したいのが高速動画処理エンジン「TrueVelocity 2」だ。処理速度に大きな影響を与えるエフェクト処理部分にはOpenCLを採用。PiP(Picture-in-Picture)、デジタル信号処理、タイトル編集、3Dエフェクトなど、48種類にも上る処理で、ハードウェアが持つ性能を十二分に利用できるようになった。
パーティクルエフェクトや3Dエフェクトでは、マルチコアCPUの能力を有効活用できる並列処理に、また動画のデコード/エンコードではNVIDIA CUDAやATI STReam、Intel QuickSyncVideoといったGPGPU機能に対応。大容量メモリを有効に利用できる64bit CPUへのネイティブ対応も図られるなど、動画処理のさまざまなステップで最適なハードウェア機能を利用できる。
「TrueVelocity 2」の採用により、負荷の高いHD解像度の動画レンダリングでも、他の同種ソフトと比較して、最大44倍もの超高速処理を実現した。加工部分を的確に発見し、当該部分だけを再レンダリングするスマートレンダリング機能「インテリジェントSVRT(Smart Video Rendering Technology)」はより精度が向上。無駄なレンダリングを行うことなく、動画を出力できる。
(ハードウェア支援機能ばかりでなく)ソフトウェア面でも向上が図られた。例えばH.264のソフトウェアエンコードは、旧バージョン「PowerDirector 9」と比較して38%も速度が向上したという。
さらに「10」では、「PowerDirector」シリーズでは初めて3D動画編集機能が搭載された。対応する動画形式はMVC(M2T)のほか、サイドバイサイド、トップ&アンダー、デュアルストリームAVI。MPO/JPSといった3D静止画ファイルを直接、読み込むこともできる。さらに、3Dでタイトルを作成できるほか、3Dトランジションや3Dパーティクルエフェクトなどを適用することも可能。テーマを選ぶだけで見栄えのよい動画作品を作成できる「マジックスタイル」にも、3D対応の「3Dマジックスタイルテンプレート」が追加された。
編集した3D動画は、MVCまたはサイドバイサイド、アナグリフの各形式でファイル出力することが可能。3D立体視に対応した動画共有サイト「YouTube」に直接動画をアップロードすることもできる。Blu-ray 3D、3D AVCHD、3D DVDメディアのオーサリングを行うことも可能だ。
従来バージョン同様、最大100トラックという多トラック編集や、MKV/FLV/WMV/MPEG/H.264の直接読み込み、フルHDプレビュー(3Dプレビューにも対応)などにも対応する。さらに「10」では、
- ペイントアニメーションの追加
- タイムラプス動画の作成
- タイムライン上に配置されたマーカーへのスナップ
- ワンクリックでの音声ボリューム補正
などの機能も追加された。出力では、DVD/Blu-rayへの出力のほか、大容量Blu-ray「BDXL」への出力、YouTubeやFacebookへのアップロードといった従来からの機能に加え、新たに「ニコニコ動画」への直接アップロードにも対応した。
「PowerDirector」には、Ultra版のほかにDeluxe版がある。Deluxeでは、Ultraから64bit対応、Blu-ray書き込みなどの機能が割愛されている。