「はじめての筆王」は、単なるチュートリアルではなく、編集したデータを使って、実際にはがき作成を行える。作業をわかりやすくするため、画面のレイアウトこそ「筆王」とは微妙に異なっているが、機能も操作も同じなので、ただの練習に終わらないのがよい。機能を選択したり、ダイアログが表示されたりするたびに、解説画面や音声ガイドが現れるのもわかりやすい。慣れてきたら、音声だけをOFFにしたり、ガイド機能そのものを使わないようにしたりできるし、いったんOFFにしたとしても、各画面上のボタンからすぐに機能を呼び出せる。さらに(普通の)オンラインヘルプもあるので、使い方で悩むことはまずないだろう(インターネット上には「簡単操作ナビ」という動画コンテンツも用意されている)。
「とにかく急いで文面(裏面)を作りたい」という人には「デジカメ写真モード」「簡単作成モード」「カメラ直結モード」がお勧め。「簡単作成モード」なら、プロのデザイナーが作成したテンプレートを選ぶだけでよいし、「デジカメ写真モード」では、写真にフレーム画像を付けてレイアウトしたり、複数の写真を並べる「コラージュ」を簡単に作成したりできる。
宛先データを抽出するフィルタ機能の充実ぶりも特筆しておきたい。「クイックフィルタ」では性別や年齢、出し受けの履歴などから、条件にマッチする人を簡単に探し出すことが可能。「フィルタ」ではさらに、干支や星座、ランク(お付き合いの頻度などをA〜Eの五段階で自由に割り当てられる)指定なども行える。
「年賀状や暑中見舞いぐらいにしか使わない」という方にもわかりやすいソフトだが、それだけでなく、顧客へのDM発送といったビジネス的な用途でも活躍してくれそうだ。
(福住 護)