ペイントソフトにはさまざまなものがあるが、絵の具やペン、エアブラシなど、現実に存在する画材の動作を模倣するタイプのソフトとして最も有名なのが「Corel Painter」シリーズだ。前バージョン「Corel Painter 11」が登場したのは2009年5月のこと。2年以上の間が空いていることからもわかるように、それほど頻繁にバージョンアップされるソフトではないにもかかわらず、すでにバージョンは「12」。どれほど歴史の長いソフトかがわかるだろう。その「Corel Painter 12」だが、これまでの例に漏れず、今回のバージョンアップでも強化点は非常に多い。特に魅力的なのが、上でも説明したように、大幅なパフォーマンスアップを果たしている点。「Corel Painter」の機能はとにかく強力だが、必然的にパソコンに要求される処理性能も高くなる。このためか従来までは、例えばペンをすばやく動かしたりすると、本来は滑らかになってほしいストロークが「カクカク」になることも皆無ではなかった。それが今回、64bit OSへの対応と、マルチコアCPUへの対応で断然、高速になったというのだから、そのメリットは計り知れない。
ソフトウェアのパフォーマンスを文章で伝えることは難しいが、実際に使ってみればすぐにわかる。例えば、今回追加された「リアル水彩ブラシ」「リアルウェット油彩ブラシ」などの「処理が重い」と思われるブラシでも、スムーズに滑らかな線を描くことができる。一層使いやすくなった「Corel Painter」を多くのユーザに使いこなしていただきたい。
(天野 司)