64bit版Windowsに対応し、処理の高速化が図られた「Corel Painter」の新バージョン。ペイント機能も多数の強化が行われた。「Corel Painter」は、現実の画材に近い感覚で“手描き風”の絵画を描ける高機能ペイントソフト。多彩なブラシや用紙などを使い、リアルな絵を描くことができる。新バージョン「12」では、64bit版Windowsにネイティブ対応したほか、描画ブラシはマルチコアCPUに対応。パフォーマンスの向上が図られた。さらに「リアル水彩ブラシ」「リアルウェット油彩ブラシ」が追加され、本物の水彩画のような効果を手軽に生み出せるようになった。拡大・縮小、回転時の表示画質も向上した。インタフェースも一新され、従来以上に使いやすくなっている。
64bit版OSへの対応は、「Corel Painter」シリーズでは初めてのこと。大量のメモリを使用するペイント系ソフトでは、64bit OSへの対応は作業環境に大きな変化をもたらす。64bit OSをはじめとした数多くの強化により、全体的な描画性能は前バージョンの3〜5倍にも上るという。ブラシ機能はマルチコアCPUに対応。従来に比べてフリーハンドでの描画ストロークがよりスムーズになり、自然な描画を行えるようになった。
描画画面を(100%以外のサイズで)拡大・縮小または回転表示する際、画像にアンチエイリアス処理を施し、高画質で表示する機能も新たに追加された。ペイントソフトでは拡大編集時に元画像のドットがそのまま拡大されるものも多く、斜線がギザギザになる「ジャギー」が発生する。「Corel Painter 12」の「高画質表示」機能を使えば、拡大状態でもジャギーが発生せず、スムーズに描画できる。高画質表示は、必要に応じてON/OFFを切り替えることが可能だ。
ペイント機能では、より本物の絵の具に近いタッチが得られる「リアル水彩ブラシ」「リアルウェット油彩ブラシ」や、画面を放射状に3〜12分割し、万華鏡を覗き込んだような模様を描画できる「万華鏡ペインティング」、画面を上下左右に2または4分割し、反対側の面に鏡像を描画する「ミラーペインティング」などが追加された。リアル水彩ブラシ、リアルウェット油彩ブラシでは従来のブラシ機能同様、パラメータを設定することで、さまざまなタッチを実現することが可能。例えばリアル水彩ブラシでは、水分量を多く(少なく)したり、水彩絵の具が乾燥する前に吹きつける風の強さを調整したりなど、現実の画材におけるパラメータと同様の設定を行える。
インタフェースは一新され、ブラシ選択などのパレットデザインなどが変更された。Windows 7のAero Glassユーザインタフェースとの親和性がより高くなった印象で、フローティングパレットの配置なども直感的でわかりやすくなった。
表示されるパレットの種類や配置状態などを記憶し、あとから再現できる「カスタム作業領域」も追加された。ユーザが自分に最適な作業環境を作成し、簡単に設定することが可能。さらに、例えば「Phtoshop」ユーザが違和感なく「Corel Painter」に移行できるようにするために「[Photoshopユーザ]作業領域」といったものも用意されている。
「Corel Painter」シリーズではおなじみの「イメージホース」やブラシ、テクスチャパターンなども追加コンテンツとしてダウンロードできる。