物体の動きを3Dグラフィックでわかりやすく再現してくれるソフト。「World Tester」で誰でも手軽に楽しめるのは、重力や摩擦係数をいじってみることだろう。特に重力は、初期状態では1(当然1Gのことだろう)となっており、数値を減らして月面上の重力を体験したり、逆に大きくして(最大で4まで指定できる)「もし巨大惑星や高密度の星に行ったら」というSF的体験を楽しんだりできる。
複数の物体を配置することにより、「ひとつの物体の動きがほかの物体にどのように影響するのか」を観察することも可能。例えば「テーブル」を追加すると、四角いテーブルの上にドリンクの空き缶が置かれた状態で配置される。これらはそれぞれ別の物体なので、テーブルをひっくり返すと、空き缶も独自の動きを見せる。ほかの物体をうまく操作してテーブルの上に載せることができれば、一気に「ちゃぶ台返し」を再現することも可能だ。また、台車の上に「起き上がり小法師」を落とすと、起き上がり小法師が揺れるため、その反作用で台車も少し動くのが観察できる。
動きを一時停止させたり、コマ送りしたりと、高速度カメラでなければ捉えられない画像を簡単に再現できるのも魅力だ。
(福住 護)