仮想空間上に配置したさまざまな物体の動きをシミュレーションで観察できるソフト。「World Tester」は、「物体に力を加えたときにどのような動き方をするのか」を、仮想空間上で再現するシミュレータ。数値やグラフではなく、実際に3Dモデリングされた物体の動きをアニメーションで観察することが可能。マウスを使って「押す」「転がす」「放り投げる」などの動作を行うと、その動きが画面上でグラフィカルに再現される。
画面は、
- 立体空間が再現された観察用のメイン画面
- オブジェクトを配置したり、パラメータを指定したりするためのツールボックス画面
からなる。ツールボックスで選択した物体を「追加」ボタンでメイン画面に配置し、マウスを使って物体を動かしたり、視点や表示倍率を変えたりできるようになっている。例えば「ビー玉」を配置してマウスでドラッグすると、ビー玉はドラッグした方向へ転がり、やがて摩擦抵抗によって停止する──このような物体の動きを画面上で楽しむことができる。物体の動かし方は、左ボタンによるドラッグが前後左右などの平面上での移動。ホイール(中ボタン)を押しながらのドラッグでは上下方向も加わり、空間上を自由に動かすことが可能。空間内には重力が働いている。上に持ち上げた状態でマウスボタンを放すと物体は落下し、地面に落ちたところでバウンドを繰り返して、やがて静止する。ホイール(中ボタン)を押して上方向へドラッグしながら途中でボタンを放すと、物体を放り投げることができ、放物運動となる。そのほか、地面をドラッグすることで、視点・視線の移動やズームなどの操作も行える。
表示可能な物体は「ビー玉」をはじめ、「サイコロ」「コイン」「リング」「起き上がり小法師」「台車」など、計14種類。複数の物体を配置すると、ひとつの物体を動かしたとき、ほかの物体にどのように影響するかも再現される。動きを一時停止したり、コマ送りで再生したりすることも可能だ。
物体の運きに影響する要素として、マウスの動き(力)のほかに、定数を指定することも可能。定数には「重力」「跳ね返り係数」「動摩擦係数」の三つがあり、これらを変化させることで、動きがどのように変わるかを知ることができる。定数の項目にはそのほかにも「マウスで与える力」や、シミュレートする時間の最小単位が用意されている。
表示関連のオプションとして、視点の切り替え(斜め/上から)やウィンドウサイズ、ズームを指定できるほか、裸眼立体視用の表示にすることも可能だ。