喫煙によって将来にわたって生じる費用や、ソフトの使用開始から現時点までの累計喫煙本数、累計喫煙コストといった、いわば数値で驚かして節煙・禁煙を促す側面と、1日の目標本数を守るための喫煙ペースを示す、いわば道標的な側面の二面性を持つソフト。筆者は禁煙して早11年になるが、以前は1日30〜40本吸うヘビースモーカーだった。気軽にタバコを口にして、「今日はちょっと吸いすぎているかな」程度の認識はあるが、「何本吸ったか」とか「このペースで吸い続けると寝るまでに何本吸う」とか「このペースで吸うといくらかかるか」などという情報は頭に入っていない。「タバコの吸いすぎに気をつける」を使えば、1本火をつけるごとに喫煙状況をカウントアップするだけで関連情報が再計算され、さまざまな状況を瞬時に把握できる。吸った本数のカウントを増やすと各金額もリアルタイムに変化し、現在のペースで吸った場合の1ヵ月、1年、10年でタバコに要する費用がわかるので、節煙の動機付けになるだろう。
強調したいのは、思いついた時点で「タバコの吸いすぎに気をつける」を起動し、その日に吸った本数を入力して、一時的に情報を得るソフトではないという点。パソコンの起動時に「タバコの吸いすぎに気をつける」も同時に起動し、タバコを吸うごとに「喫煙本数」を1本、2本……と増やしてゆくように利用すると、ソフトのメリットを生かすことができる。喫煙状況を累計して記録できるので、日記のように、できれば毎日欠かさず使う方がよい。このように使えば、「喫煙ペースが早すぎて、このままでは目標喫煙本数を超えてしまいそう」とか「このペースでいけば、目標の半分程度の喫煙本数で済むかもしれない」といった状況を把握できる。
「測定停止」ボタンをクリックし、吸った本数のカウントを増やして「測定開始」ボタンをクリックすると、各情報がリアルタイムに変化するので、節煙がうまくいっているときなど、1日に吸うタバコの目標本数を少なく再設定したり、安価なタバコに変更してコストを抑えたりなど、自身のタバコスタイルを見直すことができる。
2010年10月1日からタバコに対する課税が強化されて、1箱20本入りのタバコで110円程度の値上げとなり、買いだめに走る愛煙家の姿がニュースになった。代表的な銘柄「マイルドセブン」1箱が410円となり、気軽に買える時代ではなくなりつつある。「1日に吸うタバコの本数を減らしたい」「できれば禁煙したい」などと考えているスモーカーにお勧めのソフトだ。
(川越 裕之)