GPUによるハードウェアアクセラレーション、Blu-ray再生、3D再生など、バージョンを重ねるたびに新たな機能が追加される「PowerDVD」だが、今回のバージョンではネットワーク関連機能の強化がめざましい。DLNAサーバ上のコンテンツを選択再生できる「DLNAクライアント」機能を使えば、ローカルディスク上だけではなく、他のパソコン上のコンテンツやパソコン以外のネットワーク機器、あるいはAV機器上のコンテンツも再生できる。こうした機能は、単体のネットワークメディアプレイヤーでおなじみだが、この種の機器では、再生可能なファイル形式が限定されることが多く、「ネットワークには接続できてもファイルを再生できない」ことも多い。
これに対して「PowerDVD 11」では、もとよりさまざまな形式の再生に対応するソフトウェアプレイヤーだけに、極めて幅広い形式のコンテンツ再生に対応する。「特別なハードウェアを購入しなくてもよい」こともメリットだが、「再生するファイルを選ばない」のもまた大きなメリットだ。
一方、パソコン用ソフトの場合、リモコン操作といった点ではネットワーク/AV機器に及ばない点もあったが、それも「PowerDVD 11」では解消された。iPhoneやAndroid携帯などのスマートデバイスをリモコンとして使用することが可能になったからだ。これらの機器は無線LANで接続されるため、赤外線を使うリモコンと違い、機器の方に向けなくても操作できるなどのメリットも多い。到達距離の点でも赤外線リモコンよりずっと上だ。これらの機能を組み合わせれば、単体のネットワークメディアプレイヤーよりも遥かに使い勝手が上になる。
「パソコンをネットワークメディアプレイヤーとして使う」ことは、いかにも贅沢な使い方だが、今回の「PowerDVD 11」は「新たなパソコンの使い方を拡げる」という意味で、今後を含めて大いに期待を抱かせる。
(天野 司)