パソコンをはじめとしたIT機器が一般的に使われるようになって以来、子どもであっても、IT機器を正しく使いこなせるようにする「ITリテラシー教育」の必要性は高まってきている。もはや子どもでも「パソコンを使いこなせるのは当たり前」といった状況になってきたということだろうか。しかし、現在出回っているアプリケーションは、当然だが、ある程度年齢層の高い「大人」を対象としているものが大半。小学校高学年以上ならともかく、低学年ともなると、画面に表示されたメッセージを読み取ることさえ困難だ。いわゆる「子ども向けソフト」が存在しないわけではないが、そうしたソフトは往々にして機能が限定されていたり、他のアプリケーションと連携できなかったりと、制限が多い。
理想をいうなら「たとえ低学年であっても、大人と“まったく同じ”アプリケーションを利用するのがベスト」だ。子どもはやがて成長するものだし、成長にともなって、せっかく子どものころに覚えたアプリケーションの知識が無駄になるのでは意味がない。「成長にともなって使い勝手も変化し、大人になるとフル機能が使える」──そんなアプリケーションが望ましい。
「Dr.シンプラー 2010 Lite」は、まさにその理想を実現するためのアドインソフトだ。「リボン」を追加しているとはいえ、機能的には元のOffice 2010そのままなので、不満が出ることはないだろう。もし必要ならば、他の「大人向け」リボンから機能を選ぶこともできる。
余談になるが、Office 2010のリボンは機能が豊富で、大人でさえ使うのに悩むことがある。「きっず」リボンは、上に示したようにシンプルな機能のみに絞られており、目的とする機能をすばやく選ぶことができる。もしかすると、子ども向けはもちろん、Officeに不慣れな大人にも役に立つかもしれない。そんな気にさせるソフトだ。
(天野 司)