今回「VideoStudio X4」に新たに搭載された「ストップモーション」「タイムラプス」の両機能はいずれも、撮影にかける時間と再生する時間とを大幅に変化させる、いわば“再生時間操作”系のエフェクトだ。例えば「ストップモーション」は、ゴルフのスイングや野球のバッティングなどのようなごく短時間の出来事を見やすいようにゆっくりと再生する“時間延長系”のエフェクト。スローモーションでも同じような効果は得られるが、スローモーション再生が、通常よりもゆっくりでありながら、画面が常に動き続けるのに対し、ストップモーションの場合は、一定時間画像が静止するために、次のコマとの差異がわかりやすい。結果として、スローモーションと比べて、より細かな動きに気づきやすくなる。
同じストップモーション機能を使う例でも、「クレイアニメーション」では、物体を少しずつ動かしながら1コマ1コマ撮影した映像を短時間で一気に再生する。長い撮影時間を短時間に縮めるタイプの“時間短縮系”のエフェクトだ。時間延長系と時間短縮系、いずれのエフェクトもストップモーションとして設定するというのはおもしろいが、裏を返せば、ストップモーションがいかに用途の広いエフェクトであるかがわかるだろう。
もうひとつの目玉「タイムラプス」は、例えば植物の発芽から成長までの観察や、建物の建築開始から完成までの観察といった、極めて長時間の出来事を短時間の動画にする、やはり“時間短縮系”のエフェクト。最近であれば、東京スカイツリーの建設が進行する様子などで使われているのを見たことがある人も多いだろう。
上に挙げた使用例からもわかるように、これら“時間操作系”のエフェクトは、テレビ番組などで使われることが多い。ただし、これらのエフェクトを搭載した動画編集ソフトは、一般向けではほとんど存在していなかった。それがついに今回、「VideoStudio X4」で搭載された。もちろん「VideoStudio X4」の新機能はこれだけではないが、この二つの機能が使えるようになっただけでも、一般ユーザにとっては非常に大きな意味があるのではないだろうか。
(天野 司)