新たに追加された「ストップモーション」などの機能により、従来以上に“楽しい”動画を作成できるようになった「VideoStudio」シリーズの新バージョン。「VideoStudio」は、初心者から上級者までに幅広く対応する高い操作性と、多彩な機能とをあわせ持つ“定番”動画編集ソフト。新バージョン「X4」では、「ストップモーション(コマ撮り)」のほか、パラパラ漫画のような映像を表現できる「タイムラプス」や、2D-3D変換機能も搭載された。インタフェースはカスタマイズ自由度が向上し、デュアルモニタにも対応。テキスト編集プラグイン「Boris Graffiti」を利用して、タイトルなどに多彩な効果を適用することもできる。
新バージョン「X4」の目玉になっているのが「ストップモーション」「タイムラプス」の両機能。「ストップモーション」は、数フレームから数秒間に渡る静止画像を連続的に表示して、カクカクとした動きの映像を表現する効果のこと。実写映像に対してスローモーションのようなユニークな効果を与えることができる。実際にストップモーションを作成するには、
- DV/HDVカメラから一定時間ごとにフレーム画像を抜き出す
- デジタルカメラの連続撮影機能で撮影された複数の静止画データを取り込む
- Webカメラなどを使って、「VideoStudio」から画像を1コマ1コマ撮影する
などの方法で行える。DV/HDVカメラなどの動画からストップモーションを作成するには、「何フレームごとに画像を取り込むか」を指定すればよい。デジタルカメラの連続撮影画像を取り込む場合は、ちょうど各画像ごとに指定したフレーム数分の再生時間を持つ、スライドショウ風の動画が作成される。秒間の撮影数が多いデジタルカメラを使用すれば、あたかもスローモーション撮影されたようなストップモーション映像を作成できる。Webカメラなどを使用するストップモーション作成の場合は、「VideoStudio」側から撮影するタイミングを指定できる(クレイアニメーション用などには、このモードを使用するのが便利)。「タイムラプス」は、フレームごとの撮影間隔を数秒から数時間といった長時間にし、通常の速度で再生して、長時間の出来事を短時間で表現する機能(微速度撮影などとも呼ばれる)。タイムラプスも、通常の動画から作成したり、デジタルカメラのインターバル撮影機能で作られた連続写真データから作成したりできる。
そのほかの編集機能も大幅に強化された。例えば、テンプレートに動画や音楽をはめ込んでゆくだけで、見栄えのする作品ができあがる「インスタントプロジェクト」は、テンプレート数が計127と、大幅に増えた。また、SD画質のソースからHD画像を作成する「アップコンバート」では、新たに画質エンハンス機能が搭載され、元画像の解像度の低さを感じさせない、高画質なHD動画を作成できるようになった。アップコンバートには高い処理性能が要求されるが、GPUによるハードウェア支援を利用することで、短時間での処理を実現している。
「VideoStudio X4」には「Ultimate」「Pro」の2エディションがある。「Ultimate」には、プラグインとして高画質なタイトルアニメーション集「Boris Graffiti」が付属し──従来からの「VideoStudio」標準のタイトルアニメーションとあわせ──高い表現力を持つタイトルアニメーションを作成できる。さらに、カメラ撮影時の手ブレを除去するプラグイン「proDAD Mercalli」をCorel社のホームページからダウンロードできることも「Ultimate」だけの特典だ。
ユーザインタフェースでは、新たにデュアルモニタに対応。画面レイアウトなどのカスタマイズ機能も強化され、よりユーザの環境に適した使い方ができるようになった。
そのほか、
- 2D動画を解析し、自動的に3D動画を作成する「2D-3D変換」機能の搭載
- Blu-rayディスクオーサリング機能の本体への統合
など、多数の機能強化が行われ、よりパワフルな動画編集ソフトになった。