こうして主要な機能をひと通り見てみると、まずうまくツボを突いたバランスのよさが感じられる。“全部入り”の超ハイスペックというわけではなく、むしろ“必要十分な機能をシンプルでわかりやすいユーザインタフェースにうまくまとめ上げている”という印象だ。

最大の特徴はもちろん「定義ファイルを不要にしてしまったこと」で、これによりネットに接続していれば常に最新の状態で保護を受けられる。さらにインストールサイズのコンパクト化やメモリ消費の少なさ、軽快な動作は、オールドタイマーな低スペックマシンにもまだまだ活用の場を与えてくれるはずだ。

こうしたベースがあってこそ、知識も経験もさまざまな家族みんなで安心して使えるし、マルチプラットフォーム/マルチデバイスのサポートもより大きな意味を持ってくるというものだ。

ウイルスやフィッシングサイトに悩まされることなく安心してWebを楽しみ、自動バックアップや同期で大切なファイルを保護し、最適化ツールが快適な環境を保つ──「ウェブルート」は、これらをユーザに負担をかけずにしっかりとこなしてくれるソフトだといってよい。

ただし、定義ファイルが不要になったことでクラウド（インターネット接続）により大きく依存していることは頭に入れておいてほしい。ネットに接続さえされていれば、常に最新の情報をもとに防御してくれるわけだが、逆にいうとネットにあまり接続せず、単独で使うことの多いマシン（いまどきの家庭用としては極めてレアだとは思うが）では、「ウェブルート」の威力を十全に発揮できない可能性がある。用途の見極めは肝要だ。

最後になるが、「ウェブルート」には「インターネットセキュリティコンプリート」以外にも姉妹製品がある。こちらも少しご紹介しておこう。

「ウェブルート アンチウイルス」は、ウイルス対策や個人情報保護などに機能を絞った、いわばベーシックエディション。さらにゲーマー向けの「アンチウイルス for ゲーマー」というエディションもある。

「ウェブルート インターネットセキュリティプラス」は、本稿でご紹介した「コンプリート」からバックアップ機能（クラウドストレージ）やファイルの完全消去などの機能を省いたもの。そのほかにAndroid向けの「モバイルプレミア」もある。

インストール可能なデバイス数やライセンス期間（1年～3年）のバリエーションも豊富で、これらの中から自分にあったものを選べるのも大きな魅力だ。