「王の試練」に勝ち、自らの「自由に生きること」を実現するために冒険する中編アドベンチャーゲーム。声を出せない主人公とともに旅に出たのは、いずれもクセのある三人の側近。「王の試練」に勝てば、自由が与えられるというパラドックス
「四人の王国」は、主人公の王子候補(の一人)と三人のワケあり兵士が、各地に散らばる偉人たちの紋章を求めて探索する、マルチエンドの“ロールプレイングノベル”。プレイヤーの選んだ選択肢や行動で、主人公の性格が変化してゆくことが大きな特徴。想定プレイ時間は8時間程度。
主人公は、王家の血を引いて生まれた少年。次期王子候補の一人だが、やりたいことをやれず、自分らしく生きることが許されない環境が原因で、声を出せなくなってしまった。そんな主人公の憧れは──もちろん許されるはずもないが──誰にも縛られず、自由に生きることのできるトレジャーハンターだ。
ある晩、こっそりと部屋を抜け出した主人公は、城の隠し階段の奥に忍び込む。そこにあったのは王族の儀式場。儀式場で父=王様から「来月からはじまる『王の試練』で一番の成果を収めれば、自由を与える」と告げられる。しかし、主人公にはこれまで兵士たちとの交流はなく、王子となるための努力もしてこなかった。なにより、しゃべることができないため、コミュニケーション能力は最低といってよい。主人公は「王の試練」で勝利することができるだろうか……?
主人公の側近は、いずれもワケありの問題兵士
「王の試練」とは、国中に隠された七つの紋章を集めて、王国を知るとともに、ほかの者より秀でていることを証明する、王子候補たちによる一種のレース。最終的に最も多くの紋章を集めた者が勝者で、次の王子となる。「王の試練」に参加するには、立候補した兵士たちの中から三人の旅の仲間=側近を決めなくてはならない。しかし、実績もコミュニケーション能力もない主人公は人気がなく、なかなか立候補してくれる兵士が現れなかった。
結果的に主人公の側近となったのは、兵士の中でも落ちこぼれの問題児ばかり。最初に側近に立候補したのは「クーフィア」。部隊長だが、実績もないのにコネで出世したと噂される、メンヘラで夢見がちな女の子だ。二人めは「カシュー」。クーフィアの部下で、クーフィアのことが好き。よくいえば正直者だが、どんなときでも嘘をつくことができないという異常性を持つ。最後のひとりが「ジャン」。やはりクーフィアの部下で、カシューと仲がよい。大男で力持ち、一見強面だが、実際は無口で存在感が薄い。
主人公を含む四人のキャラを中心に、「ライツ」をはじめとしたライバル六人の王子候補やその側近たちが物語を彩る。なかでもライツの側近の「リカ」は、第二のヒロインと呼ばれるほどの活躍をする重要なキャラだ。