システムが充実し、多彩な経営戦略を駆使できる、難易度高めの経営シミュレーションゲーム。チュートリアルでもある「初めての武器屋」はともかく、フリーモード以降は一気に手強くなる。「自由経済」では四つの他店と、「総来客数」「時価総額」「総販売額」「鶴嘴製造」「資金」のいずれかの値が、真っ先に目標値を超えた店が勝利となるが、これがなかなかクリアできない。勝利パターンを見出すため、さまざまな戦術を組み合わせ、どの順番、どのタイミングで使用するかを試行錯誤する必要がある。順調に会社が成長していても、他店に先に目標値を達成され、いきなりゲームオーバーになってしまうのはショックが大きい。
一方で、経営シミュレーションゲームとしては回転率が非常に高く、短時間で何度もプレイできるのはうれしい。
とてもよくできているが、気になる点もある。多数のモードがあるにもかかわらず、開放が遅く、全貌をうかがい知ることができないのだ。チュートリアルやヘルプは念入りに作られ、ダイレクトヘルプも用意されているが、操作に不明な点が多く、慣れるのに若干苦労した。全体的に説明不足と感じられたのが惜しいが、それを補って余りあるほどのやり込み甲斐がある。“説明不足感”の一線を越えられるユーザには、大いに楽しめるゲームだ。
(秋山 俊)