チュートリアルの充実した、オーソドックスなファンタジーRPG。美しいグラフィックやアニメーションが随所に挿入され、個性的なキャラクタ同士の会話を楽しめる。精霊界と自分たちの世界を守るため、魔法樹を集める旅に出る
「精霊のコンチェルト」は、登場するキャラクタすべてが個性的で楽しい、ストーリー重視のファンタジーRPG。マップの移動中にキャラ特有の能力を使えるほか、戦闘中にスキルを習得するシステムや合体技システムなど、独特なシステムが数多く用意されている。
ゲームの舞台はアンドリア大陸、ニングブルグ大陸、ガージニア大陸などの大陸からなる世界。この世界には地上のほかに天上もあり、天上には羽根の生えた種族「天上人」が住んでいる。天上人が地上との友好の証として作った「魔法の玉」が物語のキーワードのひとつとなる。
魔法の玉を持つことで、エルフのように生来、魔法が使える種族だけでなく、人間も魔法を使えるようになった。ところが、魔法の玉が各地で突然割れはじめる。もともと魔法に頼っていなかったため、主人公たちにはあまり気にならなかったが、賞金稼ぎとしての仕事の途中で偶然、精霊の女性に出会い、魔法の玉問題に巻き込まれてしまう。
精霊の女性によれば、この20年ほどで急に精霊力の消費が激しくなり、精霊界が力を失いかけているという。精霊界が力を失えば世界が狂い、人間も生きてゆくことができなくなる。精霊界の失墜を防ぐには、この世界にある「魔法樹」を集め、精霊界に届ける必要があるという。不承不承ながら精霊の女性に協力することになる主人公。果たして主人公たちの運命は……。
個性的なキャラがパーティメンバーとなって、物語を彩る
ゲームの主人公は、賞金稼ぎの「クローズ」。地方ではそこそこ名を上げている実力者だ。特に物理攻撃に秀で、物理スキルが得意。少し子どもっぽいところがある。人見知りで、他人には無愛想で素っ気ないが、「ソラ」のことはとても気に入っており、一緒に仕事をするようになってだいぶ丸くなった。
「ソラ」は、前作「エルメアの空」からのヒロイン。「エルメアの空」では、本人はもちろん、家族や村も助けられたため、クローズには恩を感じている。一緒にいたいという思いからクローズの相棒になり、ともに賞金稼ぎをしている。獣人の血を引いているため、動物の言葉がわかる。MPが高く、治癒スキルが得意。
「エル」は、精霊界の危機を救うためにこの世界にやって来た風の精霊。風属性の物理攻撃、精神攻撃、しかも全体攻撃が得意で、非常に使いやすい。淡々とした口調の、独特な雰囲気を持つ美人だ。なぜか、はじめて会ったクローズを信じて、頼りにしている。
「マーチン」はエルメアの領主で、前作の諸悪の根源。気絶状態から一定確率で起き上がるしぶとさを持つ。HPが非常に高く、状態異常などのいやらしい技術スキルが得意。クローズたちの仲間になり、狂言回しまたは道化的な役割で活躍する。
スキルの書や合体技、鍛冶システムなどを上手に使って戦闘を有利に
全般的にオーソドックスなファンタジーRPGだが、随所に独特なシステムが採用されているのが特徴。まず、マップ上の移動。【A】キーを押すたびにマップ上を移動する表示キャラが変わり、「特定の障害物を排除」「動物との会話」「手の届かない場所まで飛べる」など、マップ上でできることが変化する。相手のセリフなどが変化することもある。
素材を揃え、町の「鍛冶屋」で武器を鍛える「鍛冶システム」により、武器レベルを最大10まで上げることも可能だ。
戦闘はシンボルエンカウント方式。攻撃と防御にはそれぞれ「物理」と「精神」の2種類があり、相手により有効な攻撃や防御が異なる。「スキルの書」を装備して戦うことにより、戦闘中に対応したスキルを覚えて使用できるようになったりもする。スキルの書には、
- 物理攻撃スキルを覚えられる「物理の書」
- 精神攻撃スキルを覚えられる「精神の書」
- 補助・状態異常効果などを覚えられる「技術の書」
- 治癒スキルを覚えられる「治癒の書」
がある。いずれのキャラも二冊までのスキルの書を装備することが可能だ。「合体技」は、二人のキャラクタが協力して、強力な攻撃を発動するもの。発動条件は、合体技を覚えたキャラがパーティの二番目にいることと、「クローズ」とそのキャラクタのCPゲージがともにMAXになることだ。