バッチファイル型の自己展開アーカイブを作る
dsharは、MS-DOS下でいくつかのファイル(バイナリもOK)をまとめて一つの自己展開アーカイブを作るソフトウェアであり、すなわちアーカイバの一種です。と言っても、これだけではdsharの本質を説明したことにはなりません―アーカイバは他にも星の数ほどあるのですから。
dsharの最大の特徴であり、他の多くのアーカイバと最も異なる点は「作成されるアーカイブがバッチファイル型の自己解凍アーカイブとなる」ということです。それを、MS-DOSにてcommand.com下で実行することによって、ファイルの復元が行われるという仕組みです。言い換えればdsharとはUNIXのshar(シェルスクリプト型の自己解凍アーカイバを作るソフト)と同じような働きを、MS-DOSで実現してくれるプログラムです。
作成されるアーカイブがバッチファイルであるということは、当然それはテキストファイルだということです。しかも、ファイル名に漢字が混じっているなどの場合を除き、アーカイブにはASCII可読文字と改行・空白文字しか使われません。従って、インターネットの電子メールなど、テキストベースの伝送手段で、そのまま送ることも可能です。なお、Ver.2.00以降ではmultipart archiveの生成も可能になりました。
一応DOS(2.0以上)汎用になっていると思います(が、DOS3.1, 3.3以外での動作は未確認です)。NEC PC-9801VX(DOS3.3)、EPSON PC-286V、日立B32GX、富士通FM-R50SHX、東芝J-3100SX041P(以上DOS3.1)などでの動作(生成したアーカイブの解凍を含む)が確認されています(Ver.1.16時点でですが、それ以降のものも同様に動作するはずです)。
また、dsharはUNIX上でコンパイル・実行することもできます。この場合もむろん、生成されるアーカイブはMS-DOSのバッチファイル形式です。一方、添付の別コマンドundshar(シェルスクリプト)を使えば、dsharによるアーカイブをUNIX上で解凍することも可能です(当然、Ver.2.00以降のundsharはmultipart archiveの解凍も可能です)。