ファイルおよびディレクトリのコピー
cpコマンドは,ユーザが<source>で指定したファイル群を<target>で指定したディレクトリまたはファイルにコピーするコマンドです。<target>で指定したディレクトリが存在しなければcpコマンドが自動的にディレクトリを作成します。MS-DOS/PC-DOSが動作する機種であれば動作します。
<source>の部分には複数のファイル名やディレクトリ名を一個以上の空白文字で区切って指定します。コピーするファイル名の指定には正規表現が利用できますが,正規表現にマッチするのはファイル名のみです。パス名および<target>の指定には正規表現は使用できません。ファイル名とディレクトリ名は漢字を含んでいても構いません。ただし,パターン・マッチ機能は制約されます(後述)。
3.0版以降のcpコマンドでは,ディレクトリ名は正規表現にマッチしないように変更されました。-rオプションを指定した場合,cpコマンドは<source>で指定されたディレクトリ下のすべてのサブ・ディレクトリから指定された正規表現にマッチするファイルを探し,<target>下へディレクトリ構造ごとコピーします。必要なディレクトリだけが自動的に作成されます。ディスク内でのファイルやディレクトリの物理的順序(FAT上の順序)も保存します。ドライブC:上のすべてのバックアップ・ファイル(".bak"で終るファイル)をドライブA:のディレクトリ\bak下にディレクトリ構造ごとコピーするには
cp -r c:\*.bak a:\bak
とします。
<source>にディレクトリ名を直接指定した場合は,指定されたディレクトリ下の全ファイルが指定されたものと解釈します。
パス名区切り文字は通常"\"ですが,ユーザが"/"と設定している場合があります。cpコマンドは,無指定または-Pオプション指定時にはパス名区切り文字がどちらであるかをMS-DOSに問い合わせ,その設定に従います。-pオプション指定時にはMS-DOSに対する問い合わせは行いません。パス名区切り文字はMS-DOSの規定どおり"\"であると解釈します。以下に実行例を示します。パス名区切り文字は"\"に設定されているものとします。