それぞれのソフトの紹介の中でも簡単に触れたが、最後にもう一度、筆者の目から見た各ソフトの特徴と得意な用途をまとめてみよう。
「筆自慢2003simple」は、今回紹介したソフトの中で、最も機能が豊富でバランスの取れたソフトだと思う。年賀状のテンプレートが多数用意されており、それらを使うだけで簡単に見栄えのする年賀状を作成できる。ただ、年賀状のデザインそのものは非常にオーソドックスなので、インパクト重視の人にはちょっと物足りないかもしれない。その分、年輩の人や仕事関係の人などに出す年賀状を作成するのには適している。
「年賀状で行こう!」も豊富なイラストギャラリーを備えており、それらを使って簡単に美しいデザインの年賀状を作成できる。これ1本ですべての作業ができる点も、「筆自慢2003simple」と同じだ。ただし、イラストギャラリーの内容は対照的である。こちらは、非常にユーモラスでインパクトのあるイラストが多く、お堅い人に出すのにはちょっと適さない。その代わり、友人などに出せばウケること間違いなし! である。
「はがき作家 Professional」は、シンプルで使いやすい操作性が特徴のソフトだ。付属のイラストギャラリーなどはないが、裏面が印刷された年賀状の宛名書きなどに使用するのには最適のソフトである。今回紹介した「FudeBoardF20」や「絵師のえそらごと」で作成したイラストを「はがき作家 うら」でレイアウトして印刷するのもよいだろう。
「FudeBoardF20」は、毛筆風の文字を描くのに使うと非常に威力を発揮する。また、筆で描いたようなタッチのイラストを作成するのにもよい。ただし、マウスを使って文字を書いたり絵を描いたりするには多少の慣れが必要である。このソフトをフォトレタッチソフト的に使って、デジカメの写真を加工したり、他のソフトで作成したイラストを加工したりしてみてもおもしろい。
「絵師のえそらごと」は、年賀状の裏面を飾るイラストを作成する際に非常に威力を発揮する。デジカメで撮った写真をただそのまま貼り付けるより、このソフトでいったん加工してから貼り付けた方が個性的で味のある年賀状になる。絵師を代えることでさまざまなタッチのイラストが作成できるのがうれしい。使い込んで絵師を育ててゆく楽しみもあり、年賀状の作成と関係なく楽しむことができるユニークで楽しいソフトだ。