週刊ソフトニュース ■今週の注目ソフト!! 窓の手 メモメモ+ 天使の誘惑 akira32Gold Cherry MORE NEWCOMERS VERSION UP BACK NUMBER |
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Cherry Version 1.1.12 本格的な機能を備えたMIDIシーケンサ。MIDIクロックの送信や外部クロックとの同期ができないのでライブステージで機器を制御するといった使い方には向いていないだろうが、デスクトップミュージックのレベルには十分すぎる機能を備えている。
●本格的なスペックが頼もしい 念のためいっておくと、MIDIシーケンサとはMIDI対応の電子楽器を制御して音楽を作り出すソフトウェアだ。MIDIプレイヤーが再生専用であるのに対し、こちらは録音もできるウォークマンといったところ。音楽作成には必需品だ。 基本仕様は、トラック数64、最大32,768小節、トラックあたり10,000ステップ、最大分解能は960というもので、普通に使うには十分なレベルといえる。 三つのウィンドウで構成されていて、シーケンスデータの作成にはトラック情報を表示するメインウィンドウを主に使用する。ここではイベントリスト、ピアノロール、コントロールの三つのペインがあり、選択中のトラックにデータを入力する。マルチウィンドウなので、複数のトラックのウィンドウを同時に開いておくことも可能だ。 ●柔軟な操作性がうれしい 入力は一つひとつの音を指定していくステップ入力、MIDI対応キーボードなどの演奏を取り込むリアルタイム入力のほか、マウスでピアノロール上をドラッグして音程や音の長さを決めることもできる。また、お絵描きツールの要領でマウスを使って、ベロシティその他のパラメータを操作できるのは、演奏に表情をつけるという点で非常にポイントが高い。多くのコマンドをパソコンのキーボードで操作できるのも、入力の効率化という点からは見逃せないポイントだ。 イベントリストでは、鳴っている音をはじめとするイベントが一覧表示され、曲を再生するとアンダーラインが下へ移動してどのイベントを処理しているのかがわかる。 モニタウィンドウではすべてのトラックについて、割り当てられている音源やピッチベンドなどのパラメータが表示されるほか、キーボードの絵で鳴っている音や和音名を確認することもできるから、MIDI初心者が既製の曲データを研究してアレンジのテクニックを学ぶのにいいかもしれない。 ●32bitゆえの問題も…… 「Cherry」には弱点といってしまうには酷なポイントがひとつある。付属のマニュアルによると、プログラムが完全に32bitなため、内部に16bitの部分を持つWindows 95で動かした場合は演奏がもたついたり、テンポが不安定になる場合があるという。その代わりにNT上でも動作するというメリットもある。このあたりが評価の分かれ目かもしれない。 最後になったが、これだけの機能を持ちながらフリーソフトであるという点は、非常にうれしい。
(福住 護)
作者のホームページはこちら。 ソフト作者からひとこと 以前、MML(Music Macro Language)でMIDI演奏データを制作しておりましたが、いろいろな面で限界を感じ、数値入力方式のシーケンサを使ってみたい欲求が高まりました。しかし、既存のMIDIシーケンサでは、Windows標準のキーバインドからかけ離れたキー操作や、素早い操作ができなかったり、キーボードからすべての操作が行えなかったりなど、自分の感覚に合うソフトが見つからなかったので、自分で制作いたしました。 ある程度ソフトの形ができるまではデータの入力ができないので、ユーザインタフェースを決定するまでに随分と悩みました。また、開発途中、MIDIキーボードを購入したため、数値入力方式からリアルタイム入力に力を入れるようになりました。 今後は自分でシーケンサを使いながら不満な点や、ほしい機能などを順次追加する予定です。
(ふみぃ)
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