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オブジェクトをリアルタイムに動かせるドローソフト
ActiveDraw
Version 1.10
オブジェクトの拡大、縮小、回転などを“リアルタイム”に操作可能な、独自のファイルフォーマットを持つドローソフト。ビットマップもリアルタイムな変形できる。また、オブジェクト間のリンク設定も可能なので、インタラクティブな表現も行える。ちょっと変わったドローソフトだ。
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■こんな人にお勧め!!
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画像のオブジェクトに動きをつけたり、回転させたりして遊びたい人向け。手軽にインタラクティブムービーが作れる。
毛色の変わったドロー系ソフト
小規模なドロー系ソフト、と言い切るにはあまりにも異質な存在だ。直線、ベジェ/スプライン曲線、塗りつぶし、オブジェクトの拡大・縮小など、いわゆるドロー系ソフトの基本は確かにある。しかし、それだけがこのソフトの特徴ではない。
オブジェクトに対して回転や移動などの「動き」をつけることができるのが最大の特徴なのだ。しかも、それはリアルタイムに行われる。それゆえ、インタラクティブな動画を作ることも可能なのである。
アーカイブには二つのサンプルファイルが付属するが、いずれも「動き」のあるもの。Engineは内燃機関の内部動作を表現し、Skelton(ガイコツ)にいたっては、関節をグループ化し、マウス操作に従った動きを見せるなど、珍しいタイプの動画を見ることができる。このサンプルを見るだけでもおもしろい。
ちなみに、「ActiveDraw」では異なる線分や閉曲面、ビットマップといったオブジェクト間をリンクで結ぶことにより、ひとつのオブジェクトとしてグループ化を行う。これらのオブジェクトを回転させたり、裏側を見たりということが簡単にできる仕掛けになっており、他に類を見ないタイプのソフトであることは間違いない。
惜しいかな、独自のファイル形式
「ActiveDraw」という名前から、MicrosoftのActiveXに関連するものかと思うだろうが、実は全然関係ない。「ActiveDraw」で扱うファイルは独自のADF形式(ActiveDrawFormat?)となっており、「ActiveDraw」以外では見る・動かすことができない。
「ActiveDraw」で作った動きのあるキャラクタをアニメーションGIFやAVIなどに変換することができたなら、このソフトの利用価値も3倍以上になるだろう。現在は、ビューアとして使うだけなら無料、ADFファイルを作って配布するならシェアウェア扱いという変則的な配布形態を取る。
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画面左:オープンした瞬間から動き始めるサンプルファイル「Engine」。こうした動きを作るのも簡単なのだ。
画面右:二つめのサンプル「Skelton(ガイコツ)」の動いている画面。マウスでクリックして動きを与えると、あたかも重力があるかのように各パーツが動き回る。
(藤田 洋史)
作者のホームページはこちら。
ソフト作者からひとこと
今のWindowsマシンは2D描画が非常に速いので、アニメ調の絵などならば対話的かつリアルタイムに動かせるのではないのかということで「ActiveDraw」を作りました。
ただ、リアルタイムに動かせるといっても現状のバージョンでは、オブジェクトの移動、拡大、縮小、回転、連結しか実現できていません。連結があるので、現バージョンでも、サンプルとしてつけてあるSkelton(ガイコツ)のような、多関節の物体なら表現できますが、より複雑な動きを扱えるように以降のバージョンでは、オブジェクトの要素としてスクリプトを追加しようと思ってます。
その際、VisualBasicのドローツール版的なものにして、ある条件により起動されるスクリプトからオブジェクトのプロパティを操作することで、ちょっとしたゲームぐらいなら表現できるようにする予定です。
今は別のものの制作で忙しいのでいつ実現できるかわかりませんが(^^;、気長にお待ちください。
(金子 勇)
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