簡単な操作で“信頼性の高いデータコピーを常に取得”しておくことのできる“定番”バックアップソフト「Acronis True Image」の新バージョン。オールインワン型のリカバリツール「Acronis Survival Kit」が新たに搭載された。「Acronis True Image」は、システムを含むディスク/パーティション丸ごとからファイル/フォルダ単位まで、柔軟なバックアップおよび復元をわかりやすインタフェースで行える、個人ユーザ向けのバックアップソフト。プログラム、設定、データといったすべてのファイルを外付けハードディスクやネットワークフォルダ、NASデバイス、さらにはクラウドストレージなどにバックアップできる。「Acronis Universal Restore」機能を利用すれば、システムバックアップを別のパソコンに復元することも可能。バックアップのバージョン管理やFacebook、InstagramといったSNSのバックアップにも対応する。
新バージョン「2019」では、「Acronis Survival Kit」が追加されたほか、不要なバックアップバージョンを削除してディスク容量を確保する「バックアップクリーンアップユーティリティ」や、外付けUSBドライブが接続されたときに自動的にバックアップを開始するオプションも追加された。前バージョン「2018」で2.0にバージョンアップしたAI(人工知能)ベースのランサムウェア検知・遮断技術「Acronis Active Protection」は、「2019」で保護対象を拡張。ネットワーク共有フォルダやNASデバイスのデータも保護できるようになった。さらに、起動中ディスクのクローンを作成できるようになるなど、Mac向けの新機能も追加されている。
左側に「バックアップ」「アーカイブ」「同期」「ツール」「ACTIVE PROTECTION」といったメニュー項目が並ぶメイン画面の構成や、バックアップ対象およびバックアップ先を選択し、「今すぐバックアップ」ボタンをクリックするだけで実行できる、わかりやすく簡単な操作は前バージョンから変わらない。Acronis Active Protectionでは、パターン検知やホワイトリスト/ブラックリストなどでパソコン上のデータやMBR(マスターブートレコード)を常時監視し、悪意のある動作や不正な改変をいち早く検知して、パソコンを保護する。
どのようなパターンでバックアップを取るかは「スケジュール作成」および「バックアップスキーム」で指定できる。スケジュールは、日単位、週単位、月単位を選択できるほか、イベント発生時やノンストップ(最短5分間隔で自動実行される)を選択することも可能。日単位では、毎日指定時刻に実行することも、指定時刻Aと指定時刻Bの2回実行することも、また毎×時間ごとに実行することもできる。ノンストップは、バックアップ対象が更新頻度の高いファイル/フォルダ/パーティションの場合に適する。新バージョン「2019」では、イベント発生時で「外部デバイスが接続された」ときを選択・指定できるようになった。
バックアップスキームは、
- ひとつの完全バックアップを毎回上書き保存する「単一バージョンスキーム」
- ひとつの完全バックアップと五つの差分バックアップが繰り返し作成され、6ヵ月を経過した(最初の完全バックアップ以外の)古いバックアップが削除される「バージョンチェーンスキーム」
- 五つの増分バックアップごと(初期設定)に完全バックアップを作成する「増分スキーム」
- 最初の完全バックアップ以降は差分バックアップのみを作成する「差分スキーム」
- ユーザが好みで設定できる「カスタムスキーム」
から選択できるようになっている。新バージョン「2019」で追加された「Acronis Survival Kit」は、復元に必要なブートメディアやシステム、アプリケーション、データを“自己完結型のリカバリツール”としてUSB外付けハードディスクに作成する機能。「Acronis Survival Kit」から復元する場合は、BIOS設定でUSBドライブからの起動の優先順位を先頭にした上で、(1)パソコンにUSB外付けハードディスクを接続し、(2)パソコンを起動して、(3)対象を選択して復元を実行するだけでよい。別途、ブータブルメディアを用意する必要はない。システムのフルイメージバックアップを作成するたびに「Acronis Survival Kit」を作成することも可能で、常に最新の“オールインワン型リカバリツール”を保持しておくことができる。
新バージョン「2019」ではそのほかにも、クラウドバックアップの信頼性・パフォーマンスの向上、ブータブルメディアビルダ(WinPEベース)でのネットワークアダプタ検出およびネットワーク設定の構成対応なども行われている。
エディションは購入形態の違い(買い切りかサブスクリプションか)やAcronis Cloud Storage付属の有無や容量の違い、無料アップグレード期間の違いなどにより「Standard」「Advanced」「Premium」の3種類が用意されている。