国土地理院などが公開するデータを利用して、高精度なDXF(Drawing Exchange Format)形式の地図を作成できるソフト。表示項目やパラメータの設定により、さまざまな地図を作成できる。「VectorMapMaker」はその名の通り、拡大表示しても劣化しない“ベクトルデータの地図を作成”するためのソフト。Webで公開されている、
の各データを読み込んで合成し、指定範囲の地図をDXF形式のファイルに出力できる(国土基本情報は有償)。解凍機能(AllUnzip.exe)も搭載し、データ配布先へのアクセスからダウンロード、解凍までを「VectorMapMaker」とWebブラウザだけで行える。災害時の簡易シミュレーションを行うことも可能。津波・高潮の予想高さを設定して、浸水範囲を描画したり、同じ作者による別ソフト(「RasterMapMaker」)と連携して、浸水の様子を動画にしたりもできる。基本的な地図を作成するには、インストール後、(1)基盤地図情報をダウンロード・解凍し、(2)読み込み元のフォルダ、書き込み先のフォルダ、地図名、座標系などを設定して、(3)「処理開始」ボタンをクリックすればよい。処理終了後、既定のCADソフト(または内蔵のDxfViewer.exe)が開き、地図が表示される。設定値はファイル保存して、あとで再利用することができる。
作成できる地図は例えば、
- 都道府県・市町村境などだけが描画された「行政区画図」
- 標高が色分け表示された「等高線図」
- 道路や鉄道の敷設状況を確認できる「道路・鉄道図」
- 地図を縦に切って眺めた「縦断図」
- 窪地のみが着色された「窪地図」
など。データを用意すれば、さまざまな項目を組み合わせ、希望する情報が描画された地図を作成することが可能。描画される地図はガウス・クリューゲル法による。そのほかにも、
- 国土地理院から提供される10mメッシュ標高データを、より大きな50m/250mサイズのメッシュデータに変換できる「メッシュ変換(DemCollector.exe)」
- 表示上限および下限を指定して地図を描画できる、「AutoCAD」用マクロの「標高コントローラ」
などを搭載する。4.00へのバージョンアップ時に「MapDxfMaker」から「VectorMapMaker」に名称が変更された。