ウイルススキャン時も軽快に動作し、多層防御で高い検出率を実現する「ESETセキュリティ ソフトウェア」シリーズの新バージョン。Windows用プログラム「ESET Internet Security(ESET Smart Securityから名称変更)」が9.0から10.0にメジャーバージョンアップした。「ESET ファミリー セキュリティ」は、家族で利用するパソコンやモバイル機器をウイルス、不正アクセス、有害サイト、フィッシング詐欺などから守る、ファミリー向けの総合セキュリティ対策ソフト。Windows/Mac/Androidの5台までのマシンで利用できる。「10.0」にバージョンアップした「ESET Internet Security」では、プライバシー保護を目的にした「ホームネットワーク保護」「Webカメラアクセス制御」や、急増するランサムウェアの脅威から守る「ランサムウェア保護」の各機能が新たに追加され、悪意のあるJavaScriptの攻撃を防御する「スクリプトベースの攻撃保護」機能も搭載した。Mac用「ESET Cyber Security Pro」では不具合修正が行われ、Android用「ESET Mobile Security」はAndroid 7.0に対応した(本稿は「ESET Internet Security」で執筆した)。
中心となる機能は、
- ウイルス対策
- スパイウェア対策
- フィッシング詐欺対策
- 不正侵入対策
- 迷惑メール対策
- 有害サイトアクセス対策
の六つ。さらにインターネットバンキング保護、ボットネットやエクスプロイトに対する保護、脆弱性対策の強化、SNS保護、ゲームモードなど、多彩な機能を搭載する。インストール後はパソコンを常時監視し、ウイルス/マルウェアや不正アクセスなど、さまざまな脅威からパソコンを保護。もちろんユーザが任意のタイミングでスキャンを実行することもできる。
保護機能は「コンピュータ保護」「インターネット保護」「ネットワーク保護」「セキュリティツール」に大別され、各機能ごとにON/OFFを選択したり、詳細設定画面を呼び出したりできる。設定をインポート/エクスポートすることも可能で、書き換え防止のためのパスワードロックにも対応する。
「コンピュータ保護」では、リアルタイム保護、リムーバブルメディアへのアクセスを無効化できる「デバイスコントロール」、アプリケーションやプロセスを監視し、危険な動作を防止する「HIPS(ホスト侵入防止システム)」、ゲームモード、Webカメラの悪用や盗撮を防ぐ「Webカメラ保護」を利用できる。設定画面では、リアルタイム保護の検査対象や実行タイミング、デバイスコントロールやWebカメラ保護のルールなどを指定することが可能だ。
「インターネット保護」には、有害なWebページへのアクセスを防ぐ「Webアクセス保護」、電子メール保護、迷惑メール対策、フィッシング詐欺対策の四つの機能が含まれる。
「ネットワーク保護」では、パーソナルファイアウォールに関する設定やファイアウォールのルール設定、ネットワーク攻撃保護(IDS)、ボットネット保護、接続中のネットワーク(自宅・職場など)に関する設定、さらにはファイアウォールプロファイルの切り替えなどを行える。
「セキュリティツール」では、オンライン決済時に個人データを保護する「インターネットバンキング保護」とペアレンタルコントロール機能の設定を行うことが可能だ。
設定用とは別に「その他のツール」画面があり、「ホームネットワーク保護」「インターネットバンキング保護」の二つの設定画面にダイレクトにアクセスできるようになっている。「ホームネットワーク保護」は今回、新たに追加された機能。ホームネットワークに接続されたルータやパソコンなどをマップ風に表示し、各機器のIPアドレスやMACアドレス、ネットワークアダプタの設定などを確認・保護できる。「ルータに脆弱性がないか」を検査する機能も備える。
「その他のツール」画面ではそのほかにも、
- ログファイルの表示
- 保護統計(検出した脅威や迷惑メールの統計データを確認できる)
- ネットワーク接続(ネットワークを利用しているプロセスをリアルタイムで監視し、プロトコルや通信速度を表示する)
- 実行中のプロセス(実行中プロセスの一覧と「ESET Live Grid(早期警告システム)」から取得した情報とを組み合わせて表示する。各プロセスを利用しているユーザの比率やはじめて発見されたおよその時期がわかり、セキュリティリスクの特定などに役立つ)
- アクティビティの確認(ファイルシステムやネットワークへのアクセス量をリアルタイムでモニタできる)
- ESET SysInspector(実行中のプロセスやネットワーク接続、重要なレジストリエントリやデバイスドライバの状態などを記録したスナップショットを作成。専用ツールを使って内容を表示したり、ほかのスナップショットデータとの比較を行ったりできる)
- ESET SysRescue Live(レスキューメディア作成ツールをダウンロードできる)
- スケジューラ(スキャンの自動実行やアップデートやログの保守、パソコンのスナップショット作成などの実行スケジュールを設定できる)
- 分析のためにサンプルを提出(不審なファイルを見つけた場合、ESET Research Laboへファイルを送信し、検査を依頼できる)
- 隔離(スキャンの結果、隔離されたファイルが一覧表示され、復元や削除を行える)
といった多彩な機能を利用できる。