簡単な設定・操作で使える“多機能アニメ自動録画ソフト”の新バージョン。アニメ専門番組表サイトと連携し、リストで番組名・放送局を選択するだけで、目的の番組を録画予約できる。「foltia ANIME LOCKER」は、デジタルチューナが接続されたパソコンを高性能・多機能なレコーダにする自動録画予約ソフト。アニメ専門番組表サイト「しょぼいカレンダー」のデータを利用して、指定したアニメ番組を自動録画予約することが可能。放送時間の変更にも追従する。録画した番組はパソコンのブラウザで視聴できるほか、スマホやタブレットなどで視聴することも可能。多機能自動CMカット機能も搭載する。新バージョン「4.5」では、米国・Amazon.comが運営するクラウドサービス「Amazon Cloud Drive Unlimited Everything」を“完全統合”。録画データをクラウドストレージ上に保存できるようになった。
特徴のひとつが“OSを含む全部入りソフト”として提供されること。対応するハードウェアを用意すれば、そのほかのソフトウェア──例えばWindowsのライセンスなど──を用意することなく、高機能な自動録画システムを構築できる。OSには、安定性に定評あるCentOS 6.8を採用。セットアップが完了すれば、パソコンのブラウザから操作するだけで使用できる。
対応するチューナは、PCI-Expressボードタイプではアースソフト社製のPT1/PT2/PT3、PLEX社製のPX-W3PE/PX-Q3PE。PCIeスロットを持たないノートパソコンなどでは、USB接続タイプのPX-W3U3を利用できる(ただし、PLEX社製チューナのうち、V2.0とされる製品ではCentOS用ドライバが用意されていないため、現状では使えない)。PCIeタイプのチューナは複数を同時に使用することも可能。最大で68チャンネル同時録画(理論値)という、常識を超える構成も可能だ。
ソフトのセットアップはウィザード方式。OSのセットアップも含め、難しい設定などはなく、ほぼ自動で利用開始できる状態まで進む。チューナのドライバなどもプラグ&プレイで自動的に組み込まれる。セットアップ対象のパソコンは「foltia ANIME LOCKER」専用とすることが必要。WindowsなどのほかのOSとのデュアルブート構成には(知識がなければ)できない。24時間365日常時稼動が前提となる録画サーバでは、大きな問題ではないだろうが、「foltia ANIME LOCKER」で使用するハードディスク以外のディスクも初期化される場合があるので、インストールには注意が必要だ。
操作は(基本的には)「foltia ANIME LOCKER」をインストールしたパソコンではなく、ネットワーク接続されたほかのパソコンのブラウザで行う(利用するには、インストール用と操作用の2台のパソコンが必要)。操作側はWebブラウザが使えればよく、スマートフォンやタブレットで利用することもできる(ただし、スマートフォン専用の画面があるわけではなく、筆者はパソコンでの利用をお勧めする)。
アニメ番組(およびその関連番組)の録画予約は、
- アニメ専門番組表サイト「しょぼいカレンダー」との連携により、直近2週間分の放送予定が表示される「アニメ放送予定」
- アニメ番組の第1話放送分のみがピックアップ表示される「アニメ新番組リスト」
のいずれかの画面で行う。リストは地上波、BS、CS、Webストリーミングなど、放送媒体やチャンネルの区別がなく、すべてが一括表示される形式。一般的なレコーダに搭載されたチャンネル別のEPG(Electronic Program Guide:電子番組表)とは異なり、「普段は視聴しないチャンネルで突如、放送されるようなアニメ番組」でも見逃すことはない。しかも、一度予約操作を行えば、シリーズが終了するまでの録画予約を行える。特別番組などによる放送時間の移動などにも対応する。「しょぼいカレンダー」は、アニメ番組や特撮番組、声優番組などのアニメ関連番組に限ったデータを提供。内容は非常に“濃い”。シリーズものではサブタイトル一覧なども網羅し、再放送などもしっかりカバーする。放送波に乗せて送られるEPGとは異なり、臨時ニュースによる放送時間の移動など、突発的な変更には対応できないものの、データの更新はかなり頻繁に行われ、精度は高い。
「しょぼいカレンダー」で提供されるデータ以外の一般番組の録画予約にはEPGを利用することが可能。キーワード検索や検索結果からの番組予約なども行える。そのほか、インターネットラジオ放送の「らじる★らじる NHKネットラジオ」や「radiko.jp」の予約録音、さらには文化放送のアニメ&ゲーム系Webラジオ「超!A&G+」の動画付きラジオ放送の予約録音にも対応する。
録画された内容は、デジタル放送のストリーム形式(TS形式)として保存され、非リアルタイムながら、MP4形式にエンコードしたり、CMカット処理を行ったりもできる。CM編集モードは、
- 編集前状態(何もせず、そのまま)
- 本編のみ(CMを捨てて本編だけを残す)
- CMのみ(CMだけを残す)
- 本編+CM(CMだけをまとめて、本編の後ろに並び替える)
- チャプター追加(カットは行わず、CMのIN/OUT点にチャプターを自動設定する)
から選択することが可能だ。録画した番組は「foltia ANIME LOCKER」のWEB Player機能、PC Player機能を利用して、パソコンのブラウザで視聴することが可能。DLNAサーバ機能にも対応し、DLNAクライアント機能を持つAV機器や、DLNA再生アプリがインストールされたスマートフォン/タブレットなどでも視聴できる。
現在放送中の番組をリアルタイムトランスコードして視聴可能にする「foltia LIVE」機能も搭載する(ある程度のCPUパワーが必要で、画質の劣化もある)。動画方式にはHLS(HTTP Live Streaming)方式が採用されている。