パソコンを使っていると、Webサイトやメールソフトなど、使用するにあたってログインIDとパスワードが要求される機会が非常に多い。個人情報を扱うためにはユーザ認証はどうしても必要なのだろうが、あまりに数が多く、使用頻度の低いサイトなどでは、パスワードを忘れてしまうこともしばしばだ。「パスワード忘れ」という事態を避けるには、ID/パスワードをまとめて記録してくれる専用のID/パスワード管理ソフトを使うのが一般的だろう。しかし、ID/パスワード管理ソフトにデータを記録しようにも、そもそもID/パスワードを忘れてしまっていてはどうしようもない。
その「どうしようもない状況」を解決してくれるのが「Recover Passwords」だ。WebサイトのログインIDやパスワードは、サイトにアクセスした時点でWebブラウザが記憶してくれるのが普通だが、どのブラウザも、記録したパスワードをユーザが読み出せるようにはしていない。簡単に読み出せてしまっては、他人によるパスワードの盗難などのリスクがあるからだ。だが、ユーザが間違いなく本人であれば、「せっかくブラウザが記録してくれているのに、それを読み出せないなんて」と思うだろう。
そんなとき「Recover Passwords」ならば、実に手軽かつ鮮やかに問題を解決してくれる。面倒な操作は不要。起動するだけで、目的とするID/パスワードがあっさり表示される。しかも結果一覧は、さまざまな形式のファイルとして出力することが可能で、出力結果をそのままID/パスワード管理ソフトに登録すればよい。
もちろん、ID/パスワードを忘れないに越したことはないが、さまざまなサイトやアプリケーションがパスワードを要求してくるため、それらすべてを記憶しろ、というのも難しい。使い方によってはセキュリティリスクになりかねない面があることも否定はできないが、パスワードを忘れることを恐れ、すべてのサイトやアプリケーションで同じパスワードを使い回すことに比べれば、ずっとマシだろう。
とにかく「どうしようもなくなったとき」に救ってくれる、ありがたい存在だ。
(天野 司)