高級オーディオで聴いているような感覚を味わえる“ハイレゾ”メディアプレイヤー「JRiver Media Center」の新バージョン。「JRiver Media Center」は、さまざまな形式の動画・音楽ファイルを管理・再生・変換できるマルチメディアプレイヤー。ローカルディスクに保存された音楽・動画・静止画ファイルの管理・再生・表示から、ネットワーク経由でのストリーミング再生やメディア再生、リッピング/ライティングなどまで可能。もちろん最大の魅力は、ハイレゾ音源を高音質で再生する機能だ。新バージョン「22」では、(実験中)という但し書き付きながら、オーディオのオプションに「SoXをリサンプリングに使用する」が追加され、SoX Resamplerによるアップサンプリング(疑似ハイレゾ化)を利用できるようになった。さらに「Panel」インタフェースが追加された。メディアネットワーク機能により、LAN接続されたほかのパソコンから「JRiver Media Center」のインストールパソコンを操作する際に、クライアント側ブラウザでのインタフェースとなる(そのほかにも今後、数多くの機能追加・強化が予定されている)。
ハイレゾ音源の再生では、一般的に採用されている192kHz/24bitのリニアPCM音源はもちろん、これを超えるハイレート/ハイビット音源にも対応。「JRiver Media Center」では、さらに倍の768kHzという超ハイレートにまで対応する。
“1bitオーディオ”といわれるDSD(Direct Stream Digital)では8xDSD(DSD1024)に対応(リニアPCMとはエンコードの原理が異なり、同列には比較できないが、単純にサンプリング周波数だけを比較すれば、8xDSDは45MHz以上)。さらに、DSDをパケット化してPCM伝送ラインに乗せることを可能にしたDoP(DSD Audio over PCM Frames)では4xDSD DoPに対応する。
ハイレゾ音源の再生には、専用API(Windowsの一般的なサウンド再生APIでは再生できない)と対応機器(サウンドボードやUSB外付けDACなど)とが必要。「JRiver Media Center」では、標準ハイレゾ再生APIであるASIOおよびWASAPI排他モードに対応し、対応機器さえ用意すれば、元音源の音質を劣化させることなく高音質を楽しむことができる。
充実したリアルタイム処理も特徴のひとつ。再生ゲイン、パラメトリックイコライザ、ルーム補正、ヘッドホン補正などのDSP機能を搭載し、リアルタイムでこれらのDSPを適用しながら、エフェクト再生を行える。DSPとしてVSTプラグインを利用することも可能だ。
例えば44.1kHz/16bitなどの“通常音質”音源を、リアルタイムでアップサンプリングし、再生する機能もある。同じハイレゾでも、音質的にはより有利といわれるDSDにリアルタイム変換することも可能。DACがDoP対応であれば、通常のPCM音源をリアルタイムでDoP変換して再生できる。CDのリッピング時に、通常音質の音源をアップサンプリング+ハイレゾ化して保存することも可能だ。
Android/iPhone対応のスマホアプリ「JRemote for JRiver Media Center(有償)」をリモコンのように使い、パソコンで動作している「JRiver Media Center」をコントロールすることも可能。逆に「JRiver Media Center」をストリーミングサーバとしてパソコン上の音楽や動画をストリーミング転送し、スマホ上で再生することもできる
アーチスト名や曲名から、手持ちの曲でよく似たジャンルのものを探し出し、プレイリストを自動構築する機能「プレイドクター」を搭載し、クラウドサーバ上にプレイリストをアップロードして、ほかユーザとプレイリストを交換することも可能(Doctor Who)。サジェストされた曲が自分のパソコンに保存されていない場合でも、インターネット上の試聴可能な楽曲データを自動的に検索する。