周回を重ねるごとに少しずつ謎が解き明かされる、ユニークなスタイルのノベルゲーム。Live2Dによる、美しいアニメーションが印象的。ある夏の日、「僕」は幼なじみの彼女に告白することを決意する……
「猫になりたい」は、親に変わった名前をつけられた「僕」と、幼なじみの少女との関係が描かれた短編SFノベルゲーム。繰り返される日常の中、何の進展もない二人だったが、あることをきっかけに、「僕」は彼女との関係を変えようと決意する。互いをよく知る「僕」と彼女。二人の迎える結末は……。
ゲームの舞台は現代。2016年7月31日から物語ははじまる。主人公は、親から変わった名前をつけられてしまった、15歳の「僕」。頭はとんでもなくよいが、常識に欠け、自然な人の心の流れがわからないところがある。
そんな「僕」が幼なじみの少女「最中花(もなか・はな)」に告白しようと決意する。しかし、常識外れな「僕」の告白は、「僕」のことをよく知る彼女にも受け入れてもらうことができなかった。
告白をやり直すため、「僕」は花をデートに誘う。一度は断られたが、「僕」のとんでもない行動に折れて、デートに応じてくれた。真っ赤になって「まだ、付き合うって決めたわけじゃないんだからね」とツンデレなセリフをいうあたり、まだ脈はあるかもしれない。
行き先の選択肢は「水族館」「博物館」「映画館」の3ヵ所。「僕」は無事、デートを成功させ、告白してOKをもらうことができるだろうか……。
途中で表示される選択肢やタイトル画面の使われた方がユニーク
ストーリーの途中で選択肢は表示されるが、プレイヤーの選択で物語の結末が変化したりすることはない。実際に選べる選択肢は決まっており、自由な選択はできないようになっている。「それでは選択肢は無駄なのか」というとそうではなく、演出上、重要な役割を果たしている。
さらに「猫になりたい」では、プレイヤー自身の手でセーブすることはできないが、1周を終えるごとにフラグが保存される擬似オートセーブ機能が搭載されている。オートセーブの結果はタイトルの「☆思い返す」から確認することが可能で、こちらも演出上、重要な役割を果たしている。
1周は10分から20分ほど。エンディングまでは約1時間。エンディング後には、「僕」の名前を入力すると見ることのできる「おまけ」が用意されている。