デジタル画像のライブラリ管理、閲覧から加工までを行える統合型の写真編集ソフト。本格的なRAW現像、画像共有など、充実した機能を搭載する。「Zoner Photo Studio」は、デジタル画像の比較に便利な独自のインタフェースを備え、“軽快な操作感で思い通りの写真を再現できる”総合写真編集ソフト。写真の加工・補正、管理、印刷・共有を行うことができ、一本で“撮影後のすべての工程”に対応する。新バージョン「18」では、新たに4Kディスプレイに対応。閲覧専用のビューアが追加され、写真共有用のAndroidアプリも用意された。さらにRAW現像、より高速な編集を可能にするGPU支援、必要に応じて元のデータに戻せる非破壊編集などの機能強化も図られた。
「マネージャー(閲覧)」「現像」「エディター(編集)」の各モジュールを切り替えながら利用する。メイン画面は三分割型。左側にはフォルダツリーなどが配置された「ナビゲーター」、中央には画像が表示される「ブラウザ」およびサムネイルが表示される「フィルム」、右側にはプロパティ表示や編集用ツール用の「サイドパネル」が配置される(初期状態)。モジュールを「現像」「エディター」に変更すると、画面右側のサイドパネルも切り替わる。画面左側のナビゲーターはいずれのモードでも共通。いつでもファイルを参照できる。
「マネージャー」では、選択しているファイルの名前、pixelサイズ、容量などを確認できるほか、タイトル、説明、キーワードなどを編集したり、評価レートやカラーラベルの指定などを行ったりすることが可能。ファイルの削除、回転、クイック修正、バッチフィルタなども行える。
「現像」で行えることは、
- コントラスト、ハイライトなどのプリセット効果の選択、カスタム設定の保存
- ホワイトバランス調整
- 露出、コントラスト、シャドウなどの調整
- 色相、彩度などのカラー調整
- トーンカーブ補正(RGBおよびチャンネル別)
- シャープネス処理
- ノイズ軽減
- ビネッティング、粒子の追加
- HDR
- レンズプロファイルによる収差補正
- 回転、トリミング、オリジナル画像の表示
- JPEG/PNG/TIFFへのエクスポート、共有
と多彩。調整や処理は効果を確認しながら適用できる。現像は、主要カメラメーカーの600種類以上のRAW形式に対応する。「エディター」には、
- 切り抜き
- 変形、傾き補正、パースペクティブ調整、モーフィングメッシュ
- 赤目補正、クローンスタンプ、アイロン(ぼかし)、修復ブラシ、効果ブラシ
- ペイントブラシ、塗りつぶし、消しゴム
- 領域選択(矩形、楕円、ラッソー、多角形、マグネット選択など)
- テキストオーバーレイ、イメージオーバーレイ
- オブジェクトの配置、記号の挿入
- グラデーション効果
- 線の挿入
- 逆ティルト(ミニチュア効果)
- 逆光
- ドロステ効果
といったツールが用意されている。画面中央部は、ブラウザとフィルム(サムネイル表示)で画像を閲覧できるほか、画面分割による複数画像の比較や、ジオタグを利用した地図表示、ブラウザ部をさらに二分割して、二つのフォルダの表示などを行える。
画面左側のナビゲータは各モジュール共通。ドライブやフォルダの選択を行える。カタログとして登録したフォルダは「カタログ」グループ内にまとめて表示される。さらに容量無制限、無料のクラウドサービス「Zonerama」との連携も可能。写真の公開・共有を簡単に行える。
さらに画面左上のメニューからも多彩な機能を利用できる(()内は表示されるモジュール)。
- ・取得(マネージャー)
- 画像ファイルをカタログへインポート(コピーまたは移動)できるほか、スキャナからの取り込み、画面のキャプチャ、PDFからの画像取り込み、ファイル内に含まれるJPEG画像(RAW画像内のプレビュー画像など)の抽出などを行える
- ・ファイル(現像・エディター)
- 現像ではファイルの削除やエクスポートを行える。エディターではファイルの保存やコピー、リネーム、印刷などが可能
- ・編集(マネージャー・現像・エディター)
- 回転、リサイズ、フィルタ処理などの加工やエクスポート、ファイル形式の変換、バッチフィルタなどを実行できる
- ・情報(マネージャー)
- タイトル、著作権者、説明などのメタ情報を確認・編集できるほか、Exif情報のバックアップやレストア、バッチ編集、音声メモの編集、再生、GPS情報の割り当て、タイトルやキーワードなどのメタ情報に対する文字列検索なども行える
- ・整理(マネージャー)
- フォルダの新規作成、ファイルの選択、リネーム、削除、並べ替え、検索、お気に入りフォルダの追加・編集、フォルダの同期、重複ファイルの検索などを行える
- ・設定(現像)
- 現像に関するパラメータ設定をコピー/ペーストしたり、プリセットとして保存したりできる
- ・調整(エディター)
- 画像補正機能。ワンタッチで自動処理するクイック編集をはじめ、レベル補正、トーンカーブ、歪曲収差の補正などを行える
- ・効果(エディター)
- 28種類のフィルタ加工機能を利用できる。プラグインを利用することも可能
- ・レイヤー(エディター)
- レイヤーを使って文字や画像を合成する。レイヤーの透明度や合成方法の指定も可能
- ・選択(エディター)
- 画像の一部を選択するためのツールを選んだり、選択範囲の保存/読み込み、範囲の調整などを行う
- ・作成(マネージャー)
- 複数の画像を追加してスライドショウ動画やパノラマ画像、3Dイメージ、HDR画像、多重露出画像などを作成できる
- ・公開(マネージャー)
- 画像を単純に印刷できるほか、テンプレートを利用して画像とファイル情報を組み合わせたり、コンタクトシートやカレンダーなどを印刷したりすることもできる。電子メールで送信したり、「Zonerama」にアップロードしたりすることも可能
- ・表示(マネージャー・現像・エディター)
- ナビゲーターやブラウザ、情報メニューなどの表示/非表示を切り替える。ユーザ設定画面の呼び出しもここから行う
そのほかにもCPU、グラフィックス、ハードディスクのパフォーマンスをテストできるベンチマーク機能やモニタの補正機能などを搭載する。