青色申告に必要な書類の作成をサポートしてくれる、個人事業者向けの会計ソフト。仕訳辞書や摘要履歴などの入力支援機能を備え、集計(伝票から帳票への転記)は自動で行ってくれるので、書類作成にかかる手間が大幅に軽減される。とはいえ、できれば申告の時期になって慌てて使いはじめるのではなく、日常的に帳簿を作成してゆくのが本来の姿だろう。分析に役立つ各種比較表やグラフ機能も搭載し、経営状態を的確に把握する意味でも、日ごろから慣れ親しんでおくに越したことはない。ビジネスソフトらしく、オーソドックスなユーザインタフェース。ウェルカム画面風に現れるメイン画面では、日常的な使用頻度に応じてタブが上から配置され、シンプルでわかりやすい。伝票入力画面も見かけは至ってシンプルだが、フィールドをクリックするとコンボボックスが現れ、科目の一覧や摘要履歴など、その場に応じた入力支援ツールが表示される。帳簿作成の知識があればスムーズに使いこなせそうだ。
「青色申告でき太 11 Pro」は、個人事業者向けの上位版にあたり、そのほかにベーシック版として売掛帳・買掛帳や事業計画・実績比較表およびグラフ表示、データのパスワード保護などの機能が省かれた「青色申告でき太 11」もある。さらに小規模法人向けとして「会計でき太 11 Pro」「会計でき太 11」という姉妹製品もラインナップされている。
おおまかな選び方としては、事業計画や損益分岐点グラフ、過去の財務データの参照といった機能が必要であれば「でき太 Pro」を、不要なら「でき太」を、ということになる。また「Pro」では、データのパスワード保護とユーザ登録による権限割り当てが可能なので、その点も考慮するとよい。
ユーザは業務範囲によって、
- 全機能を利用できる「システム管理者」
- 初期設定以外のすべての機能を利用できる「財務管理者」
- 仕訳の入力のみを担当する「一般ユーザー」
- 一部帳票の閲覧と印刷のみに限定される「表示のみ」
の4種類を設定できる。
(福住 護)