通常の表計算はもとより、定型文書の作成やデータベース処理、グラフィック作成などまで「およそパソコンでできることなら何でもできるのではないか?」と思えるのがMicrosoft Excel。まさにビジネス用の標準ソフトといってよい。このExcel、アドインという形でさらに機能追加できるのはよく知られているところ。アドインは、Office 2007から採用された「リボン」インタフェースで機能を呼び出すことができる。「即戦力!Excel仕事術」もExcel用アドインのひとつだ。
リボンによる機能追加では「どのような機能が追加されるのか」はもちろん大切だが、「機能の呼び出しやすさやわかりやすさ」も重要な要素になる。Office 2007でリボンインタフェースが採用されたとき、「どこに何の機能があるのかよくわからない」という批判が多く聞かれたものだ。標準の機能でさえ、探すのが難しいのである。ましてや「即戦力!Excel仕事術」では、プロフェッショナル版で追加される機能は400種類以上。機能の探しやすさは重要なポイントになる。
「即戦力!Excel仕事術」では、この問題に対して「リボンの数を増やす」「機能を呼び出すアイコンをわかりやすくする」というアプローチで解決を図った。追加されるリボンの名称は「Std〜」「Pro〜」というちょっと無機質なもので、内容を想像し難いが、中身はかなりよく整理されており、わかりやすい。アイコンのデザインもカラーが上手に取り入れられ、わかりやすくなっている。
最初のうちは「どの機能が『Std〜』で、どの機能が『Pro〜』なのか」を覚える必要はあるが、それさえわかってしまえば、機能はかなり選びやすいし、個々の機能はユニークで使い勝手のよいものが揃っている。ビジネス用途で強力な味方となってくれそうだ。
(天野 司)