手軽に使えるデジタルサイネージ(電子看板)ソフト。日付や曜日、時間帯などに応じて、プレゼンテーション内容を変えることができる。「Nomoad フリー版」は、パソコンの画面上で広告やプレゼンテーションの作成・表示、実行スケジュールの管理を行えるソフト。店頭や公共施設などに設置され、ディスプレイ上にさまざまな情報が表示されるデジタルサイネージを手軽に作成し、運用できる。
- プレゼンテーション内容を編集・作成するための「Nomoad(ノモアド)」
- 実行スケジュールを設定するための「NomoadSchedule」
- プレゼンテーション内容およびスケジュールを読み込み、実際にプレゼンテーションを実行する「NomoadPR」
の三本のプログラムで構成される。さらに、プレゼンテーションを長時間連続稼動する場合、正常に動作しているかどうかを確認するための常駐プログラム「Nomoadwatch」も用意されている。フリー版は、通常版「Nomoad」(シェアウェア)に対して利用できるアイテム数などに制限がある。●Nomoad
背景画像、写真、テキスト(テロップ)などを組み合わせ、プレゼンテーション内容を制作するためのプログラム。使用するディスプレイの縦横比を設定し、部品リストからパーツをドラッグ&ドロップして、レイアウトを作成する。
利用できる部品は「背景」「フレーム」「メディア」「テロップ」「一行文」「文書」「サブ看板」の7種類。パーツを配置したらプロパティ設定画面を開き、表示させるテキストやメディアファイルなどを指定する。このうち「文書」は、まとまった量のテキストを記述するためのもの。これに対して「一行文」は、見出しなどの短いフレーズに使用する。「テロップ」は文字が横スクロールするため、少し長めの文の表示に適している。「サブ看板」は、メインのプレゼンテーションの中に、さらに別のプレゼンテーションをはめ込むようなイメージだ。
これらの部品は、画面を分割してタイル状に整列させたり、ほかの部品の上に積み重ねるように配置したりなど、自由にレイアウトすることが可能。重ね順を変更したり、グリッドを使って配置したりもできる。
各部品には枠線の太さや塗りつぶし色、テクスチャ、不透明度などを設定し、装飾を施すことが可能。テロップやメディアなどは、表示時間や繰り返し回数、画面切り替え効果などを設定できる。メディアの場合は配置や切り抜き、スタイルなどを適用することが可能。文書、一行文、テロップなどのテキスト関連部品では、文字サイズやフォント、色などを指定できる。
部品の大きな特徴は「各部品内に複数のコンテンツを持つことができ、時間に応じて切り替えられる」こと。「タイトルの文章は固定のまま、写真と説明文だけを順に切り替えてゆく」といった柔軟な使い方ができる。
プレゼンテーション全体では、名称や背景色、自動開始・終了の時刻、ファイル共有などを設定することが可能。すべての編集が終わったら、プレゼンテーションファイルとして出力する。
●NomoadSchedule
プレゼンテーションファイルの実行スケジュール(時間割)を作成するためのプログラム。時間割は、複数のプレゼンテーションの実行時間帯が設定されたタイムテーブルで、ひとつの時間割の中に最大30個のプレゼンテーションファイルとその実行時間帯を登録できる。複数の時間割を作成して、日付や曜日ごとに時間割を割り当てられる。
作成できるスケジュールは、
- 任意の期間に時間割を指定
- 同じ時間割を毎日繰り返す
- 時間割を曜日ごとに設定
- 時間割を月ごとに設定
- 時間割を月の日ごとに設定
の5種類。「任意の期間に時間割を指定」では、設定した期間に応じて時間割を切り替えられる。最大12の期間を登録することが可能。時間割も12パターンまで登録できる。期間1の間は時間割1にしたがってプレゼンテーションが実行され、期間2になったら時間割2に切り替わる、といった形になる。
「同じ時間割を毎日繰り返す」では、ひとつだけ作成した時間割により、毎日同じパターンで実行される。
「時間割を曜日ごとに設定」は、各曜日に、その曜日に実行する時間割を割り当てるタイプ。時間割は19パターンまで登録でき(表示なしを含めると20パターン)、月曜日には時間割1、火曜日には時間割2といった形で、曜日ごとに時間割を使い分けることができる。曜日とは別に、任意の期間を指定して時間割を設定することも可能だ。
「時間割を月ごとに設定」では、月ごとに時間割を切り替えられる。時間割は24パターンまで作成することが可能。月とは別に、期間指定可能な追加スケジュールを最大12個、設定できる。
「時間割を月の日ごとに設定」は、日付に応じて時間割を使い分けられる。時間割は43パターンまで作成できる。追加スケジュールも最大12個までを設定することが可能だ。
スケジュール設定が終わったら「スケジュール済みプレゼンテーションファイル」を出力し、「NomoadPR」に読み込んで実行する。
●NomoadPR
「Nomoad」で作成されたプレゼンテーションを再生するための専用プログラム。「1」から「9」までのプレゼンテーションスロットと、一時用のスロット「0」とを合わせた10個のスロットにプレゼンテーションファイルまたはスケジュールファイルを割り当てることにより、そのつどプレゼンテーションを読み込む必要がなく、簡単に切り替えられるようになっている。
パソコンの起動と同時に「NomoadPR」を起動すれば、プレゼンテーションの実行を制御することが可能。プレゼンテーションを自動で開始したり、プレゼンテーションファイル自体に設定されているスケジュールに従ったりすることができる。プレゼンテーションの自動終了やパソコンのシャットダウンも制御できる。
そのほか、フレームレート、画質レベルなどを設定することも可能。設定済み実行スケジュールの確認も行える。