シャットダウンや再起動をスピーディに行う電源管理系のユーティリティでは、いざというときにサッと使えるようにタスクトレイに常駐待機したり、ほかのアプリケーションの邪魔にならないようにコンパクトなレイアウトになったりしているものが多いが、その点、「Chameleon Shutdown」はちょっと違う。画面サイズはわりとデカくて、それなりに自己主張する(そのわりにボタン数は少なく、デザインはシンプル)。いつ使うかわからない状態で起動しておくにはいささか邪魔だし、かといってタスクトレイに待機させておくこともできない。しかし、豊富な実行オプションはそんな弱点を補って余りある。パソコンが待機状態になったり、CPUの使用率が一定値を下回ったりといった条件を設定できるし、そこへさらに遅延時間その他の条件を組み合わせることもできるので、「使いたくなったらすぐに呼び出せる」ではなく、「使いたいシチュエーションをあらかじめ想定しておく」のだ。
任意のアプリケーションやプロセスを監視できるのも便利。毎日のデータ処理や報告書作成が終わってアプリケーションを終了したら、続いてWindowsまでシャットダウンしたり、ログオフしたりしてくれる。実行中のプログラムがリストに表示されるので、監視したいものにチェックを入れればOK。わざわざ実行ファイルの保存先フォルダを開いて指定する必要はない。欲をいえば、「Chameleon Shutdown」の起動後に新たに起動・終了したプログラムを検知できるように、リフレッシュ機能がほしいところだ。
念のため補足しておくと、オプション指定で実行待ちになっている間のみはタスクトレイにアイコンが表示されるのだが、このアイコンで操作できるのは画面の呼び出しのみ(そこからタイマを停止する)。トレイアイコンから直接シャットダウンや再起動を行うわけではないので注意してほしい。またコマンドの実行後、「Chameleon Shutdown」自身は終了するのだが、これはスリープからの復帰やロックの解除を行った場合でも同じなので、一度使用したあとは再びプログラムを起動しなければならない。
こうした特徴を押さえておけば、使いこなしは簡単。業務の流れに沿って、決まったパターンでシャットダウンや再起動を行いたい人にはうってつけのユーティリティだ。
(福住 護)