パターン(定義)ファイルとの照合で“悪意を持つソフト(マルウェア)”を検出するのではない、新しい発想の“永久型”セキュリティ対策ソフト。「フォーエバーセキュリティ」は、Windowsがウイルスなどのマルウェアに感染することを防ぐためのソフト。プログラム(ウイルス)が保存されることを禁止したり、バッファオーバーフローによるプログラムの強制終了の適用範囲を広げたりすることで、マルウェアからの防御を図る。一般的なウイルス対策ソフトのようにパターンファイルの定期更新は不要。最近、話題に上ることの多い「標的型攻撃」に対しても高い防御性能を発揮する。動作OSがWindows XPからWindows 8/7/Vista/XPに拡張され、「XPフォーエバー」から改称された。
主な機能は、
- 制限的ROM化(プログラムのディスクへの保存を禁止)
- DEPの完全稼働(工場出荷時の半開状態を全開に変更)
- リムーバブルメディア上のプログラムの一括制限
の三つ。●制限的ROM化
EXEやCOMなどのプログラムが行う「ファイルの新規作成」「既存ファイルの書き換え」を禁止する機能。ウイルスは通常、悪意のあるプログラムを実行することでパソコンに感染する。つまり実行ファイルをディスク内に作成したり、既存ファイルを書き換えたりすることを防止すれば、プログラムが感染することはない。「もっともらしい名前が付けられたメールの添付ファイル」など、知らないうちに持ち込まれるプログラムのインストールを防ぐことができる。
●DEPの完全稼働
DEP(Data Execution Prevention)は、ウイルスが感染時に利用することの多い「バッファオーバーラン」攻撃を効果的に防止できる。ウイルスは、セキュリティホールを利用してプログラムをメモリに展開したのち、プログラムを実行して感染を拡大するが、DEPを完全稼働させることにより、ウイルスの「展開したプログラムを実行」するステップを禁止できる。DEPはもともとWindowsに搭載される機能だが、一部のシステムファイルに対してしか有効になっていない。「フォーエバーセキュリティ」では、この制限を撤廃してすべての実行ファイルに対してDEPを有効にする。システムファイルだけでなく、一般的なアプリケーションなどへの攻撃も検出できるようになり、ウイルスの感染を防げる。
●リムーバブルメディア上のプログラムの一括制限
ウイルスの中にはUSBメモリを挿すだけで感染する“感染力の高い”ものがあるが、USBメモリなどのオートプレイを禁止し、ウイルスの感染を防止する。
最近話題の「標的型攻撃」に対する防御策も強化された。RLO(Right to Left Override)制御コード攻撃は、Windowsの「右から左へと文字を記述する言語」のサポート機能を使ってファイル名を偽装するもの。実行ファイルであるにもかかわらず、名前を見ただけではそれとはわからない。「フォーエバーセキュリティ」では「制限的ROM化」により、これらファイルの感染を防げる。さらにはRLO制御コードを含むファイルの作成や実行そのものを防止する機能も備える。
仮想フォルダへのアクセス禁止機能も備え、ZIP/LZHファイルの内部をエクスプローラから「開く」のを防止する。エクスプローラでは、例えばZIPファイルを「開く」で参照し、内部のEXEファイルを直接実行できるが、ZIPファイルにウイルスを含むファイルが存在する場合には非常に危険。「フォーエバーセキュリティ」では、仮想フォルダへのアクセスを禁止することが可能。特にセキュリティ機能をパスしやすい「暗号化ZIPファイル」を扱う場合には安全だ。