六人の作者が協力して作り上げた合作企画のデジタルノベル。ひとつの基本シナリオ(前編)から、各作者の個性が爆発した後編シナリオが展開される。コンビニで働く女性に恋した主人公は恋愛の経過をネットで報告
「ななつぼし」は、六人の作者による別々の物語が展開される合作企画作品。共通のルートから分岐した、各作者の個性溢れる物語を楽しめる。
物語の舞台は現代の日本。主人公は「星井茂樹」という名の男子大学生。実験などで学業が忙しく、大学とアパートとを往復し、帰宅後はパソコンに向かってダラダラする生活を続けていた。大学以外に出かけるところといえば近所のコンビニくらいのものだった。
そんな茂樹がひとりの女性に恋をした。彼女の名前は「小林」さん。行きつけのコンビニで働く店員さんだ。容姿がよいのはもちろん、言葉遣いも応対も非常に丁寧だった。
小林さんと親しくなりたいと思うものの、恋愛経験値ゼロの茂樹にはどうしても最初の一歩を踏み出すことができない。そんな茂樹に転機が訪れる。レジで男性客にナンパされている小林さんを、機転を利かせて助け出したのだ。しかし、自分もそのナンパ男と同一視されるのが怖くて、チャンスを生かすことができない。
その夜の帰宅後、茂樹はいつものようにストリーミング生放送サイト「イロイロ生放送(通称イロ生)」にアクセスする。そして、生主の女性「みる」とのやり取りの結果、明日の放送までに小林さん(仮称「コンビニさん」)と会話し、結果を報告するよう命じられる……といったところまでが基本ルートだ。
ひとつとして似た展開のない、バラエティに富んだ六つの物語
基本ルートのシナリオを踏まえた上で、後編では六人の作者が描いた六つのシナリオへと分岐する。選択できるシナリオタイトルは「キャンヴァス国物語」「復讐の遺伝子」「日常と非日常の境目は」「ラブ・ライブ・エンコーダー」「知的的な人生も良いと思います」「みえないみる」となっている。
「キャンバス国物語」では、茂樹は女神様に異世界へと転送させられ、そこで「小林さんにそっくりな『リトルウッズ』(通称「リト」)という女性召喚士に出会う」というファンタジー色の強いシナリオが展開される。
「復讐の遺伝子」は、茂樹が笹原幸知子という女性の復讐のターゲットとなる、ちょっとドロドロとした愛と憎しみの物語。
「日常と非日常の境目は」は、六本の中では最もオーソドックスな展開のシナリオ。小林さんのいるコンビニに二人組の強盗が入ったとき、茂樹は果たしてどういう行動をとるのか……。
「ラブ・ライブ・エンコーダー」は、偶然「コンビニさん」と「ステラ(茂樹のハンドル)」の正体を知った生主の「みる」が奮闘する、「みる」を主人公としたシナリオ。
「知的的な人生も良いと思います」は、小林さんとデートの約束を取り付けた茂樹が、デート当日に怖い家業の人たちに拉致されるというストーリー。
「みえないみる」は「生主の『みる』が実は茂樹の実の妹だった」という、ちょっと奇妙で不思議なストーリーとなっている。