スマートフォンやタブレットのようにタッチで直接操作するインタフェースが主流になってくると、スクロールバーという限られた領域を使用する“旧来のパソコン的インタフェース”は、大多数の人にとって直感的とはいえなくなる。そこで「マウスでも“より自然な操作”を実現しよう」というのが、ダイレクトスクロールの狙い。有り体にいってしまえば、指による「スワイプ」に少しでも近づけようという試みだ。3種類の動作モード(設定項目名ではControl Type)があり、
- 常に右ボタンによるドラッグで操作する「クラシックコントロール」
- 右ボタン+ドラッグによる開始後はボタンを放してもよい「トグル」
- ボタンのクリックで開始と終了を指示する「ミックス」
を使い分けられる。モード名だけだと「ミックス」の意味がちょっとつかみづらいが、いきなり右ドラッグした場合は「クラシックコントロール」と同じ操作になるので、おそらく「クラシックコントロール」と「トグル」のいいとこ取りという意味合いではないかと思う。【Ctrl】キーや【Shift】キーとのコンビネーション操作で、スクロール速度を落としたり、一時的にダイレクトスクロールをOFFにしたりできる配慮もおもしろい。ウィンドウの折りたたみと展開を自動化してくれる「オートシュリンク」もなかなかに便利な機能。設定には実行ファイル名、ウィンドウのクラス名、タイトル名を登録できるので、指定のやり方次第ではかなりきめ細かく動作を制御できそうだが、まずは実行ファイル名だけ登録して、ウィンドウクラス名やウィンドウタイトルは使用しない(Anyにしておく)のがよさそうだ。筆者が試した範囲では、機能が働かないアプリケーションも一部にあったので、念のためご報告しておく。
(福住 護)