手軽に利用できる高速リモートデスクトップソフト。発行されるアドレスを入力するだけで、パソコンの遠隔操作やテキストメッセージのやり取りが可能になる。「AnyDesk」は、ネットワーク接続されたほかのパソコンの画面を操作できるようにするリモートデスクトップソフト。ホスト側/クライアント側ともにインストールは不要。共通の実行ファイル(AnyDesk.exe)を起動するだけで使いはじめることができ(インストールして利用することも可能)、外出先で借りたパソコンなどでも利用できる。GUI専用に設計されたビデオコーデック「DeskRT」を搭載し、ビデオハードウェアから直接、データを取得する方法を採用。OSからの画像データの取得を可能な限り低レイテンシ(遅延時間)で行うことができ、高画質かつ高速なリモートアクセスを実現する。
起動後の「新しい接続」画面に表示されるのは、
- 自分がホスト側になった場合に、クライアントから接続するためのアドレス(AnyDeskアドレス)
- 自分がクライアント側になった場合に、ホストに接続するためのAnyDeskアドレス入力用のテキストボックス
ホスト側になる場合は、自分の画面に表示されたAnyDeskアドレスをクライアント側のユーザに伝えて接続してもらい、クライアント側になる場合は、ホスト側から教えてもらったAnyDeskアドレスを入力し、接続する。AnyDeskアドレスを入力すると、ホスト側の画面に接続確認のメッセージが表示され、ホスト側ユーザが「承諾」ボタンをクリックすれば接続が成立。クライアント側の画面にホストマシンのデスクトップが表示され、操作できるようになる。
一度接続した相手は、「新しい接続」画面の下部にボタンとして表示される。ボタンをクリックすると接続相手のAnyDeskアドレスがセットされ、いちいちホスト側のアドレスを問い合わせなくてもよい。さらにポップアップメニューからは直接、接続を行ったり、接続相手のショートカットをデスクトップに作成したりもできる。
クライアント側が接続をリクエストすると、ホスト側にはコンパクトなウィンドウが表示され、接続相手(クライアント側)の名前が表示される。ウィンドウには、接続の承諾・拒否を選択するためのボタンのほか、オプション設定用のチェックボックスも用意されている(このうち接続相手を表示している部分は、接続確立後はテキストメッセージ機能の表示エリアとして使用される)。
ホスト側で設定できるオプションは「音声を鳴らす」「キーボードとマウスを使う」「クリップボードを使う」「キーボードとマウスをロックできます」の四つ。それぞれにチェックボックスがあり、ON/OFFを切り替えることができる。
一方、クライアント側では「フルスクリーンモード」「表示品質(元の品質、バランス型、高速応答)」「(ホスト側)音声送受信(再生)」「キーボードとマウスを制御する」「クリップボードを同期する」などを切り替えることが可能。ホストマシンのスクリーンショットをクライアント側のデスクトップに保存することもできる。「クリップボードを同期する」機能を使用すると、クライアント側とホスト側のクリップボードの内容が同期され、相互にデータをコピー&ペーストできるようになる。
オプションでは、
- 表示言語の選択
- 画面表示やビデオ再生画質の指定
- 音声の再生
- 接続に使用するポートやプロキシサーバの指定
などを行うことが可能。ホスト側のセキュリティ設定でパスワードを登録しておけば、クライアント側から接続を要求したときに、パスワードを入力するだけで接続が確立する(ホスト側が無人の状態でも接続できる)。