ソフトを開発しようと思った動機、背景
名古屋工業大学を中心に開発された、最新のHMM(隠れマルコフモデル)方式による人間らしい自然な音声合成に感動したのが開発のきっかけです。当時、UGC(ユーザ生成コンテンツ)が盛り上がりを見せはじめていましたので、ぜひ大学の外でも多くの人が使えるようにしたいと思いました。開発中に苦労した点
先例のない、ソング(歌声)とトーク(話し声)を同時に扱えるユーザインタフェースの開発には苦労しました。「ソングもトークも扱えて、操作は簡単。それでいて凝った調整も可能」──そうした理想のソフトを目指して開発を続けた結果、ほかにはないユニークなソフトにできたと思います。
また、外部の読み上げソフトに合成音声を提供する、外部連携インタフェースの開発にも苦労しました。その甲斐あって現在は、優れた外部ソフトと連携することで、Twitterやニコ生の読み上げなど、さまざまな場面で使えるようになりました。ぜひ、試してみてほしいです。
ユーザにお勧めする使い方
トーク機能は本当にいろいろな使い道がありますが、ホームビデオやゲーム実況など、ちょっと自分の声だと恥ずかしいときにも役立ちます。「さとうささら」はテレビ番組のMCも務めていて、声が聞き取りやすいのでオススメです。
おもしろい使い方としては、そろばん教室で問題の読み上げに使っていただいています。読み上げ速度を遅くしたり早くしたり、人間以上に細かく調整できるので、役立っているそうです。
ソング機能は、直接ピッチラインを描いたり、発声タイミングを前後に動かしたりと、ほかにはない直感的な調整が可能です。オリジナルソングの作成はもちろん、童謡をお子さまと歌ったり、校歌を歌わせたりといった使い方もありますよ。
今後のバージョンアップ予定
トラック単位でステレオ/モノラルを指定して波形出力する機能の追加を予定しています。音声を外部のソフトで使う方に便利だと思います。また、読み上げの精度を高めるシステム辞書のアップデートも予定しています。機能の追加や改善には継続的に取り組んでいて、これからも進化を続けますので、ご期待ください。
(CeVIOプロジェクト)