iOSデバイスに保存された音楽や動画、写真などのデータを一括またはファイル単位(複数可)でパソコンに転送できるソフト。iCloudにアクセスして、バックアップデータをパソコンに転送することも可能。「AnyTrans」は、iPhone/iPad/iPod(iOSデバイス)内のメディアコンテンツをパソコンで管理するための“iOSコンテンツマネージャ”。パソコン−デバイス間または複数のデバイス間でデータを双方向に転送できる。iTunesのライブラリが破損したり、消去されたりした場合でも、デバイス側からiTunesのライブラリを復元することが可能だ。新バージョン「4」ではインタフェースが一新され、従来以上に操作性が向上。扱えるコンテンツの種類も拡大し、メモ、連絡先、カレンダーなどの内容をパソコンに書き出したり、パソコンで修正したり、削除・追加したりもできる。
複数のiOSデバイスのデータを同時に操作することができ、iTunesライブラリおよび接続中のデバイスごとの操作パネルを、タブで切り替えながら利用する仕組み。デバイスの操作パネルでは、現在の使用状況(コンテンツ別の容量)を確認できるほか、「iTunesへ」「パソコンへ」「(ほかの)デバイスへ」の各エクスポートボタンが用意され、カテゴリごとのデータを一括転送できる。さらに、パネル下部に並ぶカテゴリ別のボタンをクリックすると、それぞれのデータ一覧リストが開き、アイテム単位での転送・削除なども行える。
扱えるデータの種類は幅広い。オーディオ(音楽、着信音、オーディオブック、プレイリスト、ボイスメモ)やビデオ(テレビ番組、ミュージックビデオなど)といったマルチメディアコンテンツから、写真、Safariのブックマークや履歴、AppStoreで購入したアプリ、さらには連絡先やメモ、カレンダーなどまで、さまざまなデータに対応する。
音楽データでは、プレイリストやレート、再生回数などの情報も同時に転送することが可能。写真では、デバイスで撮影した写真をまとめた「カメラロール」や、デバイス上で作成した「アルバム」、iTunesから転送した写真を含む「ライブラリ」、さらには「ムービー」などのデータも操作対象となる。例えば、アルバムの作成・編集・削除もパソコン上で行える。
アプリでは、アプリ本体のプログラムだけでなく、ドキュメントなどのデータも含めてiTunesに転送したり、デバイスから削除したりすることが可能だ。
デバイス内のコンテンツをパソコン上に書き出す機能も備える。例えば、アプリは実行ファイル形式(IPA)で、連絡先はCSV形式で、またSafariのブックマークはHTML形式(リンク一覧)で出力される。逆に、パソコン内に保存されたデータをデバイスに転送することも可能。ファイル形式を変換することもでき、WMV/AVI/FLVなど、iOSデバイスが対応しない形式のマルチメディアコンテンツも、形式を変換してデバイスに転送できる。
複数台のデバイスを同時に接続した状態では、デバイス間でデータを転送することも可能。新しくデバイスを購入した際に、iTunesを経由することなく、手軽にコンテンツの引っ越しを行える。デバイスを介して、複数台のパソコンとのデータ同期も可能だ。
新しくAppleが提供するクラウドサービス「iCloud」へのアクセス機能も搭載する。iCloud上に保存(同期)されているデバイスのデータを閲覧したり、バックアップをパソコンに転送したりすることもできる。