直感的に操作できる、機械設計用の高機能3D CADソフト。3Dプリンタ用データ(STL)のインポート/エクスポートにも対応する。「DesignSpark Mechanical」は、機械部品や電気機器の外装ケースなどの立体物を3Dグラフィックを用いて設計できるCADソフト。3Dプリンタで出力する際のデザイン用としても使うことが可能。充実したオンライン3Dライブラリも用意されている。利用するにはユーザ登録が必要だが、登録さえ行えば、すべての機能を期限なしで使うことができる。
3Dデータの編集には、画面に表示された3D形状の面や頂点などを直接移動し、変形させて形状を作り上げる「ダイレクトモデリング」方式を採用。例えば、立方体を作りたければ、
- まず、基本となる平面ビューで四角形を定義し、
- 次に、その四角形を真上に引っ張って(プル)立体図形を作る
といった具合。さらに、- できあがった立方体形状の特定の面を選択し、
- その面に対して円や四角形といった別の形状を定義して、
- さらにプルして、立体図形を定義する
ことにより、どんどんと複雑な図形を定義してゆくことが可能。「選択した辺を、マウスドラッグだけで丸めた形状にする」といった加工を行うこともでき、機械加工などで作成する立体物を簡単に定義できるようになっている。ユーザインタフェースには、Office 2010などで使われる「リボン」が採用されている。リボンバー上の機能をマウスでポイントすると、当該機能の説明がポップアップ表示されるほか、編集中も画面内の各所に操作ガイダンスが表示される仕組み。はじめて使う場合でも戸惑うことはない。
オンライン3Dライブラリも充実している。電子部品やスイッチ、ボタンなどのパーツは、作者のホームページからダウンロードすることが可能。販売サイト「RSオンライン」で販売されている部品類や機械類とリンクしているものもあり、実際に購入可能なパーツを組み合わせて、機器の設計シミュレーションを行うことができる。
作成したデザインは「DesignSpark Mechanical」の独自形式(.rsdoc)で保存できるほか、.objや.stlといった3次元ポリゴン形式、AutoCAD(.dxf)など、広く使われる3次元CAD形式にエクスポートすることも可能。特にOBJやSTLなどへのエクスポートが行えることで、モデル作成結果を最近流行している「3Dプリンタ」に出力することができる。さらにJPEG/PNGなどの2D画像として保存することも可能だ。