スマートフォンやタブレットなど、持ち運び可能でかつ高解像度の動画や画像を再生する機器が当たり前になったいま、動画はテレビやパソコンのディスプレイではなく、手元の機器で再生することが増えてきた。動画をリビングに1台のテレビで視聴するのではなく、手元の画面で再生するというスタンスだ。こうした再生方法をとる場合に問題となるのが「再生対象の動画をどうやって手元の機器に転送するか」ということ。スマートフォンやタブレットには、パソコンのようにDVD/Blu-rayドライブが搭載されているわけではないし、あらかじめデータを転送しておくには、モバイル機器の記憶領域はまだまだ小さすぎる。第一、いちいち転送してから再生するのではあまりに面倒だ。
そこで使われるのが、「Mezzmo 4」も採用する「DLNA」技術だ。データはサーバ上にあるので、スマートフォンやタブレットの記憶領域を圧迫することはないし、リアルタイムで配信されるので、転送待ち時間もない。パソコン内のコンテンツをいつでも好きなときに好きなスタイルで楽しむことができる。
こうした用途に使うことを考えると、DLNAサーバとしての「Mezzmo 4」の機能はかなりメリットが多い。動画形式は自動的に再生機器に合わせることができるし、UPnPのおかげで面倒な接続作業も必要ない。あらかじめスマホ側にアプリさえ用意しておけば、ほとんど何も考えずに使いはじめることができる。スマホでの動画視聴といえばYouTubeのような動画共有サイトがすぐに思いつくが、パソコン内のコンテンツを、ファイル形式についてあれこれ考えることなく使えるのはうれしい。
デジタルテレビを録画した内容などは著作権保護機能「DTCP-IP」を使うため、残念ながら「Mezzmo 4」はまだ対応していないが、パソコンで管理している動画や音楽なら、そのほとんどすべてを視聴できるようになるのは、かなり便利。動画を「手元で観る」派の方にはぜひともお勧めしたい。
(天野 司)