豊富な機能を備えながらも使いやすいパスワード管理ソフト。パスワードやクレジットカード番号などの情報を安全かつ効率的に管理できる。「Password Pepot 7」は、Webページへのログインアカウントやパスワード、住所、クレジットカード番号といった情報を安全に管理し、入力作業を省力化してくれるソフト。パスワードの自動生成、入力支援、バックアップ、クラウドストレージでのファイル管理、暗号化など、多彩な機能を搭載。暗号化アルゴリズムにはAES(Rijndael 256bit)が採用されている。起動時にはマスターパスワードによるロック解除が必要で、さらにキーファイルと組み合わせて二重に保護することが可能。起動中に一時離席するような場合も、ロックをかけて保護できる。独・AceBIT製同名ソフトの日本語版。
「Password Pepot 7」では、パスワード情報やWebページのURLなどをセットにしたものを「エントリ」と呼び、メイン画面ではエントリをグループ化してツリー構造で管理する。エントリ一覧は、リスト、アイコン、サムネイルなどで表示方法を切り替えることが可能。詳細表示やサムネイル表示を選んだ場合は、エントリのタイトル名以外にユーザ名や有効期限、前回の変更日時などの情報も表示される。
エントリ一覧ではさらに、グループ別とカテゴリー別に表示方法を切り替えることが可能。カテゴリーは「インターネット」「一般」「ホームバンキング」といった登録済みのものの中からパスワードの利用目的に応じたものを選択する。グループは、ユーザが任意に設定できる。
エントリに登録できる情報はパスワードのほか、クレジットカード番号、EC番号(オンラインバンキング用アカウントなど)、ライセンス(オンラインソフトのレジスト情報など)、個人情報(住所、氏名、誕生日、電話番号など)、その他の情報(ユーザが任意に登録できる)、暗号化ファイル(暗号化機能で作成されたファイルを登録しておける)など。入力には独立したコマンドを使用し、それぞれ専用のダイアログで入力を行う。
パスワード登録用ダイアログでは「アカウント」「URL」「オプション」「追加項目」「TAN番号」「添付ファイル」の各タブが用意され、さらに「履歴」で変更の記録を参照することが可能。「アカウント」タブでは、エントリの名前、ユーザ名、パスワード、カテゴリーといった基本的な情報を記録する。パスワードは、入力した文字がその場で自動判定され、解読に要する推定所要時間で安全性を教えてくれる。
キーロガーによるパスワード漏洩を防ぐための仮想キーボード(擬似カーソル機能付き)やパスワード自動生成機能も搭載する。自動生成機能では、使用する文字を限定したり、小文字や大文字、数字などの使用比率を設定したりするためのオプションもある。
パスワード以外の情報を登録する場合にも、ライセンスであればレジストキーやバージョン番号などを、クレジットカード番号であればカード名義人や有効期限といった情報を入力するための専用フィールドが設けられている。
エントリに登録した情報は、コンテキスト(右クリック)メニューやツールボタンを使ってクリップボードへ転送したり、オートコンプリート機能を使って自動入力を行ったりすることができる。
エントリ一覧を保存したパスワードファイルはローカルマシン上に保存できるだけでなく、USBデバイスに入れて持ち運ぶことも可能。さらにFTPサーバやクラウドストレージサービスと連携して、サーバ上のファイルを直接開くこともできる(クラウドストレージはPassword Depot Server、Dropbox、Google Drive、Microsoft SkyDriveに対応)。「Password Depot 7」自体のプログラムファイルをUSBメモリに入れて持ち運ぶこともできる。
そのほかにも、
- 複数のパスワードファイルの同期
- パスワードファイルのインポート/エクスポート
- 有効期限が切れたエントリの検索と一括削除
- 期限切れが近いパスワードの通知
などの機能を搭載。パスワードファイル以外の一般のファイルも暗号化、復号化、抹消などを行うことができる。ウィンドウは折りたたむと、「トップバー」と呼ばれるコンパクトなツールバースタイルになり、入力支援関連機能だけが表示される。この状態では、ドロップダウンリストからグループおよびエントリを選択して、ユーザ名やパスワード情報をクリップボードに転送したり、オートコンプリート機能で自動入力を行ったりすることが可能。よく使うエントリをすぐに呼び出せる「お気に入り」やエントリの簡易検索、ロックなどの機能も利用できる。トップバーに表示するアイコンのサイズやバー透明度、表示位置などは好みでカスタマイズすることが可能。マルチモニタにも対応する。
単に重要な情報を管理するだけでなく、「パソコンのメモリ内にデータを残さず、貼り付けを行ったあとは自動的にクリップボード内をクリアする」といった機能もあり、パスワード入力の簡略化と同時に安全性も高めてくれる。
30日間の試用期間経過後は無料版として使用できる。無料版では、管理できるパスワードの数が最大20に制限され、マスターパスワードファイルもひとつしか作成できない。有料版ではどちらも無制限となる。