筆者はタッチスクリーン搭載のパソコンを所有していないので、タッチ入力用デバイスという観点からの評価はできないのをあらかじめお断りしておかなければならない。できればタブレット風にタッチスクリーンで操作した方が魅力をより発揮できると思うのだが、この点はご容赦いただきたい。それを踏まえた上での「Cork ソフトウェアキーボード」の特徴だが、単に物理キーボードをソフトで代替するキー入力ツールではなく、むしろユーザが独自の操作環境を作ることのできるカスタマイズ用プラットフォームとして捉えてもよさそうだ。
配置そのものを移動させたり、必要なキーだけをレイアウトして専用入力パッドを作ったりといったことまでできる強力なカスタマイズ機能は、タブレット型PCを特定業務専用の端末として使用するような場合に大きなメリットになる。また、キー割り当てをカスタマイズするのではなく、自由にボタンを配置し、そこにアプリケーションを割り当ててランチャのように使うこともできる。
さらにいえば、覚えにくいホットキーやキーボードショートカットをボタンの形で登録し、入力に使えるといった点は、バリバリのキーボード入力派や逆にふだんはあまり長いテキストを入力することがない人にとっても魅力となりそうだし、多言語対応も外国語を学ぶ方にとっては心強い機能だ。
クリック時には(もちろんキーをタイピングしたときにも)キレのいいタイプライタの打鍵音が鳴り響くのも個人的にはお気に入りで、この音のためだけに常駐させておいてもいいと思える。もちろん、オプションでOFFにすることもできるのはいうまでもない。
(福住 護)