高い検出精度、軽快な動作で定評のある、フリーのウイルス対策ソフト。インタフェースが一新され、さらに使いやすくなった。「アバスト! 無料アンチウイルス」は、ウイルスやスパイウェアなどの不正プログラム(マルウェア)を駆除し、電子メールやWebページを安全に利用できるようにするソフト。処理の履歴やマルウェアの活動状況などの統計データを参照したり、Webブラウザにインストールされているアドオンツールを削除したりすることも可能。新バージョン「2014」では、インタフェースが再設計されたほか、自動サンドボックスの後継「ディープスクリーン(DeepSceen)」機能も強化された。新たにレスキューディスクの作成機能などが追加された。
「ファイルシステムシールド」「メールシールド」「ウェブシールド」の三つの常駐保護機能がパソコンを常時監視し、不正プログラムの活動を抑える。マニュアルスキャンで、パソコン内に潜伏している不正プログラムを駆除することも可能だ。
三つの常駐保護機能は個別にON/OFFを設定できるほか、スキャンの実行タイミングや除外対象、マルウェア検出時の処理方法、アーカイブ(書庫)ファイル内の検査方法などを指定することも可能。未知の脅威を検出するヒューリスティック機能の感度や、ファイルをスキャンする際の感度、さらにはWebサイトのブロックやスクリプトのスキャンなども設定できる。
マニュアルスキャンには「クイックスキャン」「フルスキャン」「リムーバブルメディアのスキャン」「スキャンするフォルダを選択」「ブートタイムスキャン」の5種類があらかじめ登録済み。もちろんユーザがカスタム設定を登録することもできる。
マニュアルスキャンやリアルタイム保護によって検出されたマルウェアは「ウイルスチェスト」と呼ばれる領域に移され、安全に隔離される。
スキャン履歴画面では、マニュアルスキャンやスケジュール設定による自動スキャンの実行履歴、検出されたマルウェアの数などを確認することが可能。さらに統計画面では、スキャン結果に関するより詳しい情報を閲覧できる。「個人の統計」では、リアルタイムでのパソコン保護状況や過去のデータ(1日単位から年間データまで)をグラフ化したり、スキャンの実行回数やブロックしたウイルスの件数などの集計結果を確認したりすることが可能。「世界の統計」では、全世界のウイルス被害発生状況を知ることができる。
メイン画面には「クイックスキャン」「ブラウザ・クリーンアップ」や、モバイル機器向けの「アバスト!」をインストールできる「携帯機器の保護」といったボタンが並ぶ。さらに「追加」というボタンもあり、マニュアルスキャンなどの機能を呼び出すためのショートカットを登録することができる。
常駐するタスクトレイアイコンのメニューからはメイン画面の呼び出しのほかにも、シールド機能の一時停止やサイレント/ゲームモードへの切り替え、定義ファイルやプログラムのアップデートを行えるようになっている。
そのほかにもセキュリティを高める機能として、
- Webブラウザなどの更新状況通知とアップデート
- ブラウザの不要なツールバーやアドオンのクリーンアップ
- レスキュー用CD/USBメモリの作成
など、多彩な機能を搭載する。