PDFの結合・分割等の基本的な機能については、キューブ・ソフトの実験的なソフトウェアを公開するプロジェクト「CubeLab」である程度見通しが立っていたため、「CubePDF Utility」を開発していく上での課題は、各種操作をいかに直感的に行えるようにするかという「ユーザインタフェース (GUI)」の部分でした。特に、「ページ順序の入れ替え」機能や「一部分のみを別のPDFとして抽出」機能などについては、ドラッグ&ドロップ等のマウス操作が必須になると感じていたので、「PDFの全ページをサムネイル一覧として表示する」という現在の形は早い段階から決まっていました。
このようなGUIを採用するにあたって、最も頭を悩ませた点はサムネイルの表示速度やメモリ消費量といったパフォーマンス面の問題でした。PDFは1,000ページを超えるようなファイルも存在するので、そうした大きなファイルを開くときにもできるだけメモリ消費量を抑えるようにすることや、ユーザが何かしらの操作を行ったときにできるだけストレスを感じさせないような形で再描画することなどが求められます。これらの問題については、バージョンアップとともにさまざまな工夫を重ねながら、現在も改善を続けています。
機能面についても、ユーザのみなさまからさまざまな要望をいただいています。すべての要望を実現できるわけではありませんが、機能面、パフォーマンス面ともに、できるだけ多くのユーザにとって便利なソフトウェアとなるように、これからも引き続き「CubePDF Utility」の開発を続けてゆきたいと思っています。
(キューブ・ソフト)