ロープルレイングゲーム(RPG)などでは、広大なフィールドやダンジョン内部を、アイコンサイズのキャラクタがちょこまかと動き回るようなデザインを採用している場合が多い。あるいはシューティングゲームなどでも、自機や敵機のキャラは、32×32や64×64ドットサイズのビットマップキャラクタが使われる。RPGの戦闘シーンで表示されるキャラのアニメーションも──サイズは大きくなるが──同様の手法で作られるアニメーションの一種だ。「TukunEditor」は、まさにこうしたアニメーションを作成するためのソフトだ。昔ながらのRPGのキャラのように単純な動きしかしない、あるいはまったく動かないものであれば、アイコンエディタのような「方眼紙を鉛筆で塗りつぶしつつ、キャラを造型する」方法で作ることができるし、実際、そのようにして作られてきた。しかし、昨今のゲームに見られるような、複雑な動きを取り入れたキャラとなると、一コマ一コマをドット単位で塗りつぶすような方法では、かなり無理がある。アニメーションなのだから動画編集ソフトで作れるか? といえば、できないことはないだろうが、やはりそもそも目的が違うアプリケーションで、いまいちしっくりとはこない。
要するに、こうした「ドットアニメーション」の作成は、専用に作られたソフトでなければ使い物にならない。なので、そうしたアニメーションを作成する必要がある人にとっては、手放せないものだ。
そして「TukunEditor」に搭載されたアニメーションGIF作成機能は、このソフトに対して、ゲーム専用ツールに留まらない、大きな可能性を与えている。汎用形式たるアニメーションGIFならば、例えばWebページ上のアクセサリとして貼り付けるなど、広い応用が考えられる。ゲーム制作に興味がない人でも試してみる価値はありそうだ。
(天野 司)