プロのフォトグラファーやハイアマにはおなじみのソフト。ひょっとしたら漠然と「RAW形式のファイルを現像するソフト」と思っている方もいるかもしれないが、実際の用途はもっと幅広く、撮影画像のカタログ化と検索、クォリティをさらに高めるためのレタッチ、最終的な作品としての出力と、デジタル写真に関わるワークフロー全体をカバーする。言い換えると、- 「RAWデータでの撮影はせず、もっぱらJPEG撮りっぱなしの人でも、写真の選択やレタッチ機能だけで十分に価値がある」
ということだ。「Lightroom」のレタッチ機能は、ホワイトバランスや露出の調整、色かぶりの補正など、主に画像全体の編集に関するもので、レイヤを使った合成や複雑なエフェクト、アートワーク的な処理などはファミリーソフトの「Photoshop」の受け持ちとなる。
しかし、今回新たに追加された「修復ブラシ」や「Upright」といった機能では、写り込んだごみを取り除いたり、レンズの歪みを補正したりといった作業も簡単に行える。
また「円形フィルタ」では、周辺減光やスポットライトのような光量の変化を作り出せるだけでなく、コントラストや色温度、色かぶりの補正などもグラデーション的に変化させることができる。
「円形フィルタ」では、効果が文字通り円形に(放射状に)現れるのに対し、「段階フィルタ」の場合は直線状に変化するため、ハーフNDフィルタのような効果が得られるのもおもしろい。
「Photoshop」まではなかなか手を出せない“普通の写真愛好家”にとっても、かなりうれしいバージョンアップではないだろうか。
(福住 護)