ファイルのリネームソフトやタイムスタンプの変更ソフトは、一括処理による手軽さを売りにしているものが多いが、「Propachange」の場合は「一覧表形式による手作業の編集」が大きな特徴だ。作業には多少の手間は必要だが、条件が複雑すぎて、一度に処理するのが難しい場合や、少しずつ異なるプロパティを設定しなければならない場合は、こちらの方が柔軟性が高い。加えて、Excelを手軽に利用できる点のも大きなメリット。一括処理が必要な場合やファイル名を連番で設定したいときは、「専用ツール独自の操作を覚えるより、使い慣れたExcelの方がありがたい」という人も多いのではないだろうか。
表示項目は多岐にわたるが、特に「プロパティ編集」では、Office文書の作成者やキーワード、コメントなども表示させられる。また、表示のみで編集はできないものの、アプリケーション名、文字数、最終印刷日、改訂番号といった項目もあるので、特にOfficeユーザにとっては便利だろう。一方、例えばJPEG画像は、「Propachange」上でタイトルを変更しても、プロパティの「詳細」タブ(Exif情報におけるタイトル)には反映されないようなので、注意が必要だ。
項目数が多いと、とかく表示が繁雑になりがちだが、その点はドラッグによるフィールドの並べ替えや、項目そのものの非表示化でカバーできる。強いて要望を挙げると、Excelにおける表示列固定のようなオプションがあれば、より便利かもしれない。
そのほかには、「仮想フォルダ」による強力なフィルタ機能も魅力だ。条件としてファイル名や拡張子だけでなくタイトル、表題、作成者なども指定できる上、設定を組み合わせることで、かなり複雑な指定にも対応できる。例えば「拡張子がXLSXまたはXLSまたはCSV」かつ「題名に『予算』の文字を含む」かつ「作成者がAさんまたはDさん」といった複合条件にマッチするものだけを抽出することが可能だ。
ちなみに「プロパティ編集」や「仮想フォルダ」のリストでは、ファイル名をダブルクリックするとアプリケーションが起動してファイルが開き、「フォルダ」をダブルクリックした場合は、エクスプローラで当該フォルダが開くようになっている。つまり、プロパティ編集の必要がない場合でも、かなり強力なファイル検索ソフト兼ランチャとして利用できるわけだ。
もちろんエクスポート機能を利用して、フォルダ内のファイル一覧を保存するのに使ってもよい。こうなると“プロパティ編集”というカテゴリーにとどめておくのは惜しいくらいで、ちょっとしたファイル管理ソフトといってもよいのではないだろうか。
(福住 護)