回復させることが不可能な魔導兵を勇者として出撃させ、使い捨てながらダンジョンの探索を行う、ユニークなシステムのファンタジーRPG。回復は効かないが、量産可能な魔導兵を派遣し、ダンジョンをくまなく探索
「使い捨て勇者」は、「体力や魔力を回復させることができない勇者を限界まで使い、死亡したら新たな勇者を派遣する」という斬新なアイデアのファンタジーRPG。ダンジョンの途中で力尽きても、それまでに獲得した資金は次の勇者の強化に使用でき、解除したトラップや倒したボスキャラなどの状態は維持される。勇者から勇者へのリレーを繰り返し、世界を救おう。
ゲームの舞台は、剣と魔法がすべてを支配する世界。そこには「魔石」と呼ばれる、異世界から魔物を強制転移させる石が存在し、魔石から次々と現れる魔物により、人類は存亡の危機に陥っていた。世界に無数に存在する魔石をすべて破壊することは物理的に不可能。この危機を脱するには、魔物を活性化させる原因となった「大魔石」を探し出し、砕いて魔力の影響を小さくするしかない。しかし、そのためには人の数が足りなかった。
そんなとき、ある大賢者が人形に意思を宿すことに成功する。「魔導兵」と名づけられ、自我があり、判断力も備わっているが、回復魔法は効果がなく、経験から知識を得ることもできない。その代わり人間とは異なり、量産が効く。そこで人類は「魔導兵を逐次、ダンジョンに送り込み、使い捨てる」という、究極の人海戦術を選択した……。
魔導兵の能力は装備によって付与され、出撃後に装備は変更できない
ゲームは、魔導兵の装備を整えるところからはじまる。魔導兵は素体のままではHP、SPともに1しかなく、何の能力もスキルも備えていない。しかし、装備を整えれば、装備品の能力が反映され、大幅に強化することが可能。装備の選択は非常に重要だ。
選択できる装備は「武器」「盾」「頭」「身体」「装飾品」。回復薬などはないが、「毒消し」「アリアドネの糸」など、装備以外のアイテムも存在する。
装備の中で最も重要なのが武器。武器には、
- 「薪割りの斧」「長槍」「木の弓」などの通常攻撃専用
- 「マジックロッド」のようの魔法攻撃専用
- 「モンクの棍棒」のような両用
があり、装備する武器によって、魔導兵の戦闘スタイルが──各種戦士から魔法使いまで──ガラッと変わってくる。最大MPは主に頭の装備、最大HPは主に体の装備によって決定される。すべての能力は装備によって付与される。
装備を購入するための資金は、ゲーム開始時点では100G。以降は、直前に出撃した勇者がモンスターとの戦いで獲得した金額となる(獲得資金が最低額に達していなかった場合は、義捐金により最低額までは保証される)──つまり、次の勇者の装備を充実させるには、戦闘でなるべく多くの資金を獲得する必要がある。使わずに残った資金は出撃時に没収され、出撃後に装備は変更できない。
出撃可能な魔導兵を増員し、パーティを組めるようになると、戦闘がグンと楽に
モンスターとのエンカウントは一定の歩数ごとに必ず発生する。逆にいえば、一度戦ったあとは、再度一定の歩数を移動するまでは、敵と遭遇することがない。強敵を避けることのできるこのテクニックは、ゲーム序盤では特に重要。そのほか、クリアするまで特定の場所で必ず発生する「エマージェンシーバトル」や「フィールド・オブ・エネミー討伐戦」などもある。
戦闘は基本的に回避できないが、歩数による通常戦闘に限って「アリアドネの糸」を使えば、100%脱出することが可能。ボスキャラなどとの戦闘のためにHP、SPを温存したいときに活用しよう。
ダンジョンをくまなく踏破していると、時折「設計図」が落ちていることがある。入手すれば、次回の出撃から購入できる装備が増えるようになる。強力な装備を購入するためにも、ダンジョン内は隅から隅まで、あますところなく探索したい。オートマッピング機能により、未探索の場所は容易に識別できる(ただし、ゲームが進むと、地図を失う事態も発生するので要注意)。
ゲームは全三章構成。章をクリアするごとに、出撃できるダンジョンが増える。出撃できる勇者の人数は最初は一人。「増員派遣所」で必要な費用を支払えば、各章で一人ずつパーティメンバーを増やすことができる(最大四人)。一度増えたメンバーは、パーティが全滅しても減ることはない。